資金調達とは?基本から分かりやすく10の調達方法まで解説!filter資金調達とは?基本から分かりやすく10の調達方法まで解説!

資金調達とは?基本から分かりやすく10の調達方法まで解説!

「資金調達について基本的な部分を知っておきたい。今後、資金調達する可能性があるため具体的な方法まで知りたい。」こんな悩みを持つ方向けに、資金調達についてまとめてみました。

本記事では、資金調達の基本から、資金調達が必要なケース、3つの種類、具体的な10の調達方法まで解説しています。資金調達は様々な面で必要になりますし、理解しておくことで選択肢が広がり調達しやすくなりますので、参考にしてみてください。

資金調達とは?

金のなる木

資金調達は事業を継続させるため、大きくするために重要な仕事です。資金調達には様々な方法があります。調達方法によって、返済や担保の有無、金利の大小など変化しますので、事業規模や事業形態に合った最適な方法を選択する必要があります。

資金調達が必要なケース

資金調達が必要になるケースは、どんなときでしょうか?ここでは、3つのケースを見てみましょう。

1.事業開始時

事業を開始する時は、多くの業種で開業資金が必要になるケースが多いです。例えば、ラーメン屋を開業する場合は「物件取得費用」「設備費用」「材料費」「光熱費」「人件費」など、様々な資金が必要になります。資金の大小は業種によって異なりますが、多くの場合、全て自己資金のみで賄うのは難しいでしょう。さらに、事業開始後しばらくは売上が安定しない可能性も含めて、最低3ヶ月分くらいの運転資金も必要です。だからこそ資金調達は重要です。事業の状況に関係なくランニングコストは掛かりますので、その部分も加味しておく必要があります。

2.運転資金不足時

事業計画を立てて開始しても、計画通りにならないことも十分に考えられます。そういう時のために「運転資金」を用意するものですが、思っていた以上にコストがかさんでしまい運転資金が底をついてしまうこともあるでしょう。いくら底をついたからといって、従業員の給与や家賃などのランニングコストは、事業の売上に関係なく発生します。そこで当面の運転資金を補うために資金調達が必要になります。事業を始めたばかりの頃は資金調達がスムーズにおこなえるかで、事業を継続させられるかが試されます。

3.事業拡大時

事業がうまくいっている時に、事業拡大を狙うため融資などを活用した資金調達をすることがあります。もちろん会社や規模によっては、自己資本から捻出するケースがあります。ですが、自己資本はいざという時のために残しておきたいもの。事業拡大による利益が見込める場合は、自己資本を残しつつ融資などを受けて事業拡大を狙えます。自己資本が多ければ、さらに多くの資金調達もおこないやすくなりますので、より事業拡大に向けてよい環境が整っていきます。

資金調達の種類

資金調達は、大きく分けて3つの種類があります。それぞれに特徴がありますので解説します。

3つの選択

アセット・ファイナンス

アセット・ファイナンスとは、会社の資産(有形・無形)を売却して資金調達する方法です。資産は様々ですが主に、会社所有の不動産や自動車、設備や在庫、有価証券や商標権などがあります。価値のあるものであれば、上記のように有形・無形問わず売却して資金調達します。部分的な資産を売却することは、財務体質改善や経営効率化アップにもつながることがあるため、資産がある会社であれば検討する価値はあります。

デット・ファイナンス

デッド・ファイナンスは、借入(負債を増やす)することで資金調達する方法です。最も一般的な資金調達方法と言えるでしょう。借入には国・地方自治体・銀行からの融資、ビジネスローン、手形割引、私募債など選択肢が多いです。返済義務や金利があるため、どの方法を選択するかで以降の経営に大きく関わってきます。例えば、手軽に借入できる一方で金利が高ければ、返済が経営を圧迫してしまう恐れがありますので注意が必要です。

エクイティ・ファイナンス

エクイティ・ファイナンスは、株式発行することで資金調達する方法です。株式を発行すれば自己資本を増やすこともできます。そして、発行した株式をVC(ベンチャーキャピタル)やエンジェル投資家へ部分的に取得してもらうことで、代わりに資金を出資してもらえる可能性があります。信用力よりもビジネスモデルが重視される傾向にあり、返済義務がないことが魅力です。ただ、あくまで投資対象という考えから、経営に影響を及ぼす可能性があります。どの程度まで経営権が渡るのかなど把握しておきましょう。

10の資金調達方法

今回は10の資金調達方法を、それぞれの特徴を踏まえて解説します。

アセット・ファイナンスを活用した方法

自社の資産を売却することで資金調達する、アセット・ファイナンスの具体的な方法を解説します。

ファクタリング

ファクタリングとは、売掛債権(入金されていない請求書)を買い取ってもらい、即日現金化するサービスを利用した資金調達方法です。自社とファクタリング会社の2社で完結する方法と、自社・ファクタリング会社・取引先の3社で完結する方法があります。2社で完結する方法は、取引先に資金調達していることを悟られづらく、即日現金化することが可能です。ただ「悟られる可能性が0ではない」「バレたら信用問題になる」「手数料が20%のような高額になるケース」があります。3社の場合は、取引先の承諾を得なければ成立しないため透明性は確保されますし、手数料も2社よりは1/2ほどになるなど低めです。ただ、取引先の承諾を得る必要があるため入金が遅くなる可能性や、2社よりも審査が少し難しくなるケースもあります。

ファクタリング利用時の注意点

ファクタリングは資金調達という面だけで見れば有効ですが、まだまだ法整備が行き届いていない事実もあり、悪質業者の存在に気を付けなければいけません。現状では大手企業よりも聞いたことのない中小企業のファクタリング会社が大半です。基本的に大手ファクタリング会社を選択すれば、悪質業者に当たる可能性は低くなります。大手では「Olta(三菱UFJフィナンシャル・グループの起業家プログラムで採択された会社)」「新生銀行anew(アニュー)」「GMO BtoB 早払い」などを活用するといいでしょう。契約内容や手数料が詳細に分かり、面談が不要や審査が甘すぎたり、保証人や担保を要求してくる業者には気を付けてください。

不動産・動産売却

自社保有の社宅や施設などの不動産や、有価証券や商標権などの動産を売却することで資金調達する方法です。事業運営に支障のない資産を売却することで、財務体質改善や経営効率化アップにつながる可能性があります。ただ、ファクタリングのように「即日」という訳にはいかず、売却までに時間を要することがほどんどです。売却準備中に資金不足になり倒産という可能性も出てくるでしょう。不動産・動産を売却して資金調達する場合は、早めの準備と決断が必要になります。

デット・ファイナンスを活用した方法

借入(負債を増やす)することで資金調達する、デット・ファイナンスの具体的な方法を解説します。

銀行からの融資

銀行から融資してもらい資金調達する方法です。融資条件は銀行によって様々ですが、会社の信用度や経営状況は最低限見られるポイントです。信用保証協会付き融資では、銀行側に貸倒れリスクが発生しないため、基準を満たせば融資を受けやすくなります。銀行側が貸倒れリスクを負うプロパー融資は、融資基準が厳しい傾向にあります。企業直後のスタートアップは大手銀行の融資が受けづらいため、地方銀行で融資を打診してみるのをオススメします。

日本政策金融公庫からの融資

日本政策金融公庫は政府系金融機関で、法人だけではなく個人にも資金の支援をしている機関です。融資を受けるためには、申し込みをしたあとに面談がおこなわれ、審査をクリアすれば融資してもらえます。銀行から。の融資との違いは「銀行よりも融資が受けやすい」「融資を受けるまでの期間が銀行より短い」という部分です。日本政策金融公庫は、中小企業や個人事業主をサポートする目的で、政府が100%出資して運営している機関ということが関係しています。金利も銀行よりは安くなる可能性があります。

私募債

私募債は法人のみが発行できる社債の一種です。少数の投資家に対して私募債を発行し、販売することで資金調達する方法です。投資家に元本を返済する償還期限があり、利子を付けて返済する義務が発生します。返済は、一括返済という方法もあれば、定期的に償還期限までに返済する方法などあります。公募債という証券会社を通して、大きく資金調達する方法もあります。こちらは、規制が厳しいということや有価証券届出書の提出が必要になるなど、私募債よりは資金調達の難易度が上がります。

ビジネスローン

ビジネスローンは、銀行や消費者金融などが提供しているサービスを利用する資金調達方法です。銀行や公的機関の融資よりも審査に通りやすく、最短即日で資金を用意することも可能です。保証人や担保も不要なケースが多いのも特徴です。ただ、このような特徴がある反面、金利が2~18%ほどと高めに設定されています。借入できる資金も、通常の融資よりは低め(数十万円~1,000万円ほど)になっているため、多額の金額を資金調達したい場合には向いていません。金利も高いため、短期利用で活用するのがオススメです。

手形割引

手形割引は、取引先などから受け取った手形を、金融機関に売却することで資金調達する方法です。「割引」という名称が付いているのは、金融機関の買取日から支払期日までの金利相当額(割引料)を、手形の額面から割引いた金額を換金することからです。ビジネスローン同様に、こちらも手形さえあれば早めに資金調達可能です。ファクタリングと似てはいますが、大きな違いがあります。取引先が債務不履行になった場合、その手形を買い戻さなければいけない義務や、融資と同様に審査もあることを理解しておきましょう。

エクイティ・ファイナンスを活用した方法

株式を発行することで資金調達する、エクイティ・ファイナンスの具体的な方法を解説します。

VC(ベンチャーキャピタル)

ベンチャーキャピタルは、成長が期待できる未上場のベンチャーやスタートアップの発行された株式を取得し、株式上場による利益がメインの収入源である投資会社です。投資先の会社が上場して成功するように、経営に関する経験豊富なアドバイスや支援を得ることも可能です。しかも、返済義務がありません。その代わりベンチャーキャピタルは、上場させるために会社の意向にそぐわないアドバイスをしてくる可能性もあります。その場合は、ベンチャーキャピタルの意向に沿った経営をする必要が出てくるでしょう。

エンジェル投資家

エンジェル投資家は、ベンチャーキャピタルの個人版と言えます。将来的に有望な個人や法人に対して、ビジネスアイデアなどを加味して出資してくれます。こちらも返済義務はありません。元起業家やコンサルタントなどの経営のプロがエンジェル投資家に転身することが多いため、経験からの経営に関するアドバイスも期待できます。こちらもベンチャーキャピタル同様に、経営に関するアドバイスが会社の意向にそぐわないケースもあります。この部分は事前に確認しておくことをオススメします。

例外な資金調達方法

上記3つの資金調達方法以外にも、近年注目されている資金調達方法もありますので解説します。

クラウドファウンディング

クラウドファウンディングは、近年注目されている新たな資金調達方法です。有名所では「CAMPFIRE(キャンプファイアー)」「Makuake(マクアケ)」があります。これらのクラウドファウンディング会社とプラットフォームを活用し、新商品開発費用などの資金を募ることができます。個人でも法人でも利用でき、資金を募る代わりにいち早く新商品を届けるなど、対価となるメリットを提示します。そのメリットに賛同してくれると、資金を出してもらうことができます。こちらも返済義務がないのが魅力的ですが、目標金額に達しなかったり、時間がかかる可能性があります。不安であれば、クラウドファウンディングに慣れている専門家に相談するといいでしょう。

資金調達を理解して最適な選択肢を選ぼう

選択の旅路

資金調達は事業を開始・継続・拡大していく上で、かなり重要な仕事です。今回ご紹介した3つの種類と、10の具体的な資金調達方法それぞれの特徴を理解して、自社に合った調達をする必要があります。一番手っ取り早いのは自己資本を活用することですが、自己資金がなくても事業に必要な資金を用意できることが理解して頂けたと思います。本記事で、自社の資金調達の手助けになれば幸いです。

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