スタートアップがオフィスを選ぶ4つのポイント
こんにちは、しゅうとです。
スタートアップ企業にとって、オフィスの賃料は大きな固定費です。
売上が安定するまで、少しでもランウェイを伸ばしたいスタートアップからすれば、できるだけ安くオフィスを構えたいと考えますよね。
しかし安さだけを考慮してオフィスを検討してよいのでしょうか?
答えは明確にNoです。
今回は僕が実際にスタートアップで働いて気づいた、オフィス選びの4つのポイントを紹介します。
スタートアップがオフィスを選ぶ際のポイント
1. スタートアップの利用実績があるか
まだ実績が無く一般的に信用が低いと言われるスタートアップにとって、入居審査が通るかどうかは最初の難関です。
スタートアップに対して、物件の管理会社の理解がなければ審査を通すのは難しいでしょう。
審査をスムーズに済ませるためにも、スタートアップ企業の利用実績が多いオフィスを選びましょう。
代表的なものとしては、レンタルオフィスやバーチャルオフィスなどが挙げられます。
2. 24時間利用できるか
急速な成長を目指すスタートアップは、勤務時間も長くなりがちです。
深夜まで仕事をし、そのままオフィスに泊まって次の日も仕事をすることは珍しくありません。
気合を入れて長く働きたいのに、オフィスの利用時間が決まっている場合は強制的に仕事を中断しなければなりません。
24時間利用でき、時間を気にせず働き続けられるかどうかは確認しましょう。
特にコワーキングスペースを拠点にする場合は、深夜営業をしていない場合があるので注意が必要です。
また、フロントサービスがあるオフィスの場合、管理会社の営業時間もチェックしましょう。郵便物の受け取りや電話対応などをしてほしいときにはすでに管理会社の担当が帰宅していた、というケースも考えられます。
3. 家から通いやすいか
オフィスに住んでいるようなスタートアップ経営者も珍しくありませんが、社員全員がオフィスに寝泊まりする状況が発生することは考えにくいですよね。
社長を含め、社員全員が家から通いやすいオフィスであれば、無駄な通勤時間を削減し、その分の時間を仕事に使うことが出来ます。
4. 事業の相乗効果が生まれる環境か
初期のスタートアップはヒト・モノ・カネのリソースが少ない状態で戦っていかなければなりません。
物事を決断するにあたって、単発で終わらずに中長期的な成長をするか、他の案件や企業との相乗効果が生まれるかは非常に重要なポイントです。
スタートアップやフリーランスが集まる場所では、ビジネスの話が盛んに行われます。事前にオフィスの利用者層を確認しておきましょう。
また、シェアオフィスやコワーキングスペースなどでは、オフィス利用者専用のコミュニティを運用していることもあります。交流イベントやFacebookグループを通じて、実際に案件が決まったという事例もあるようです。
オフィスの種類とメリット・デメリット
ここまで、スタートアップがオフィスを選ぶ際のポイントを確認してきました。
ここからは、具体的なオフィスの種類をメリット・デメリットとともに見ていきましょう!
賃貸オフィス
自社ビルを保有していない大企業に最も多いタイプ。契約した分のエリアを専有できます。
メリット
- 部屋のレイアウトやデザインなどを自由に決められる
- 広いスペースを確保できる
デメリット
- 敷金・礼金をはじめとする初期費用が高い
- 水道光熱費・インターネット料金などが賃料とは別で発生する
- 2年からの契約期間が多く、かんたんにオフィスの移転ができない
社員が10人以上で売上もあり、ビジネルモデル的に在庫を抱える事業をしている会社であれば、賃貸オフィスが良いです。
シェアオフィス・コワーキングスペース
執務スペースを他社と共有し、フリーアドレスで自由に働く場所を決められます。一方で利用者専用の個室はありません。
メリット
- 個室を借りないので費用が抑えられる
- 気分によって働く場所を変えられる
- 他の利用者との交流が生まれやすい
デメリット
- 専用の個室が無い
- 情報漏えいのリスクがある
- 商談できる場所がない
- 登記が出来ないケースがある
一番の魅力はビジネス上のつながりを増やせることです!いつも顔を合わせることで仲間意識が芽生えます。
バーチャルオフィス
物理的なオフィスではなく、仮想上のオフィスです。主に事業上の住所が必要になった場合に使用します。
メリット
- 最低限のコストで事業上の住所をもつことができる
- 自宅住所での登記を回避できる
デメリット
- 業種によってはバーチャルオフィスでの開業が出来ない
- オフィスでの来客対応が出来ない
1人で起業し、仕事場は自宅やカフェで十分という方におすすめです。ただし、弁護士・税理士などの特定の職業の方は、開業が難しいケースもあるので注意が必要です。
レンタルオフィス
個室が完備されていて、ロビーやラウンジ・会議室は他の利用者と共同で使用します。
メリット
- まだ信用のないスタートアップでも審査が通りやすい
- 個室が利用できるため情報漏えいのリスクを回避できる
- オフィス移転がかんたん
デメリット
- 受付や会議室など、共用設備のカスタマイズが出来ない
- コワーキングスペースほど利用者同士の交流は多くない
レンタルオフィスであれば、管理会社がスタートアップに理解があるため審査もスムーズに進めてくれます。初期費用を抑えつつも個室を持てるのは最大のメリットです!
結局どのオフィスが良いの?
ここまで、スタートアップがオフィスを選ぶ際のポイントと、具体的な選択肢を見てきました。
重要視するものや事業フェーズによって最適解は異なりますが、それを踏まえてもおすすめのオフィスはレンタルオフィスです。
ここからはその理由を説明します。
スタートアップにはレンタルオフィスが向いている理由
事業を始める際に必要となる手間と費用を大幅に抑えられる
レンタルオフィスでは、家具やインターネットは最初から完備されています。そのため、入居後すぐに事業に集中できます。時間が1秒でも惜しいスタートアップにとっては嬉しいポイントですね。
個室が利用できる
コワーキングスペースで仕事をしていると、周囲の会話が常に聞こえてきて集中できないことも多いです。また、オンライン会議をコワーキングスペースで行うと、情報漏洩のリスクが発生するので避けるべきです。最近では、オンライン会議用の部屋を用意しているコワーキングスペースも増えてきましたが、人気のためすぐ埋まってしまいます。いつでも使える個室があるというのは、レンタルオフィスならではの強みと言えます。
オフィスの移転がかんたん
事業を急速に成長させるスタートアップにとって、社員数の増加は予測できません。事業が軌道に乗ってくると一気にリソースがたりなくなって人を雇う必要が出てきます。そんなときレンタルオフィスであれば、空いている部屋を借りたり、大きな部屋に引っ越したり、などが初期費用なしでかんたんに出来ます。
オフィス利用者との交流が生まれる
オープンスペースであるシェアオフィス・コワーキングスペースでは、他の利用者との交流が盛んですが、レンタルオフィスでも交流が生まれることがあります。
実際に僕が入居しているオフィスでも、イベントをきっかけにして、他の利用者との交流がうまれました!
フリーランスにはコワーキングスペースが向いている?
1人で仕事をするフリーランスにはコワーキングスペースが向いています。なぜなら、オフィスで案件を獲得できる可能性があるからです。フリーのライターやデザイナー、エンジニアはパソコン1台で仕事ができるためどこでも仕事ができます。一方で、案件獲得が安定してできるか不安に思うフリーランスの方も少なくありません。個人事業主やスタートアップなどが多く集まるコワーキングスペースで仕事をすることで、ビジネス上のつながりが増え、案件獲得につながる可能性が高まります。
まとめ
COVID-19や働き方改革で、多様な働き方が求められるようになってきました。
リモートワークの導入が進む一方、良いプロダクトを作るために膝を突き合わせた熱い議論が必要だというスタートアップ企業も多いはずです。
テレワークの徹底が難しく、出社が必要なスタートアップ企業にはレンタルオフィスがおすすめです。一方で、1人で起業した方やフリーランスの方はコワーキングスペースがおすすめです。
働き方が多様化しているからこそ、自社にあったオフィス選びをしていきたいですね!
僕は自宅から1時間かけて通勤しているので、時間を無駄にしないように本を読んでいます。でもやっぱり、自宅とオフィスの距離が近いほうがもっと働けるだろうな…と感じています。