意外と知らないスタートアップとベンチャーの違いfilter意外と知らないスタートアップとベンチャーの違い

意外と知らないスタートアップとベンチャーの違い

かなこ
かなこ

あなたはスタートアップとベンチャーの違いをご存知ですか?実はわたしは、今回の記事を書く前までわかっていたつもりになっていました…。しかし、この記事を読めばカンペキ!今回は意外とあいまいになっていることが多い2つの違いを解説していきます!

さまざまな言葉を話す人達

言葉本来の意味

日本語ではどちらも今までにない新しい事業を行う企業、設立間もない企業といった意味で使用されることが多いです。
しかし海外に住む友人との会話を思い出すと、上記の意味を表す単語としてスタートアップという言葉は聞いても、ベンチャーという言葉をあまり使用していないことに気づきました。
なぜなら、日本ではベンチャーという言葉が独自の意味で使用されていたからです。
では、英語本来の意味とは何でしょうか?

スタートアップ(startup)とは

行動開始、操業開始、操業開始の会社

引用元:Weblio英和辞典・和英辞典

スタートアップという言葉はアメリカのシリコンバレーから来たと言われています。シリコンバレーから生まれた有名スタートアップと言えば、Google・Facebook・Appleなどがあります。こうした企業が世界的に浸透したのと同時に、スタートアップという言葉が普及しました。そのため、スタートアップという言葉は海外でも通用します。

ベンチャー(venture)とは

冒険的事業、投機的企業、ベンチャー、投機、思わく、やま、(危険を伴う)冒険

引用元:Weblio英和辞典・和英辞典


もともとベンチャーという言葉は、冒険という意味を持つアドベンチャー(adventure)から来ています。日本では小規模で新しい事業を行う会社といったイメージが一般的であり、英語の本来の意味とは異なることがわかります。これは和製英語としてのベンチャーという言葉が日本で浸透しているためです。また海外ではベンチャーというと、投資事業を行うベンチャーキャピタル(venture capital)を指すことが一般的とされています。

かなこ
かなこ

ベンチャーは和製英語だったんですね!!

スタートアップとベンチャーの違い

ビジネスモデルの違い

スタートアップは過去に事例ない新規ビジネスをつくり出し、新たなマーケットを開拓していきます。もちろんリスクは伴いますが、世の中にイノベーションを起こした際には、急激に成長し莫大な収益を得ることが出来ます。

ベンチャーは既に他社が構築したビジネスモデルを元に、事業規模の拡大や変化を加え展開させます。しかし、スタートアップとは異なり一気にビジネスを加速させるのではく、ゆっくりと着実な成長をしていきます。そのため、初期の段階からある程度の収益を確立させた上でビジネス展開を行っていきます。

資金の調達方法の違い

スタートアップは新しいプロダクトやサービスが確立するまでは、収益が見込めないことがほとんどです。そのため、銀行などからの融資が難しい場合があります。そこで出てくるのがベンチャーキャピタルエンジェル投資家です。こうした投資家へ将来的な可能性を提示し、資金調達を行っていきます。

ベンチャーは着実な成長をビジネスモデルとするため、早い段階で一定の収益を得る計画を立てます。そのため、銀行からの融資助成金などから資金を調達することが多く、調達した資金内で無理のない事業展開を行っていきます。

かなこ
かなこ

それぞれにあった資金調達の仕方をしていますね。最初の資金調達で今後の成長の幅が変わってくるかもしれないと考えると、かなり重要なポイントですね。

出口戦略(EXIT)の違い

多くのスタートアップはEXITまでが短いです。なぜなら、起業する初期段階からEXITを意識していることが多いためです。スタートアップとして企業を急成長させ、市場価値を高めてはEXITすることを繰り返す起業家も多くいます。

ベンチャーは中長期的な事業に取り組むことが多く、EXITにたどり着くまでの時間が長いです。また企業が成長し上場をした後でも、経営陣が変わらないまま更なる成長を目指すことも多くあります。

かなこ
かなこ

スタートアップが最初からEXITを意識しているとは驚きました!

組織構造の違い

大きな違いは人が集まってから事業を始めるか、出来上がった事業に対して人が集まるかです。

スタートアップの特徴は、最初に人を集めてチームを形成してから事業を行うことです。チームに所属する多くは即戦力として仕事に取り組むことができる人です。スタートアップを構成する必要最低メンバーとして、開発担当・デザイン担当・ビジネス担当がいて、一人一人のパフォーマンスが事業を大きく左右します。またスタートアップにはメンバーだけを集め、法人化されていないケースも含まれます。

ベンチャーは、小規模な組織を形成した上で事業に取り組みます。組織を構成する人の多くは、掲げている事業に共感した人が集まって構成されています。中長期的な事業を計画しているため、即戦力だけでなく育成が必要なメンバーも比較的多いと言えます。

かなこ
かなこ

今までに出てきた違いを表にまとめてみました!

スタートアップとベンチャーを比較した表
かなこ
かなこ

あれ、設立年数と社員数は関係ないの?と思った方いませんか。わたしもその1人でした。

間違った認識

実際にわたしの周りの方に「スタートアップとベンチャーの違いは?」と聞いてみました。すると圧倒的に出てきたキーワードが以下の2つです。

社員数

社員数による違いという間違った認識の背景には、メガベンチャーと呼ばれる企業の存在が考えられます。
メガベンチャーとは成長し大企業となったベンチャーのことを指します。ベンチャーは大規模な企業でも存在する、という認識が必然的に人数による言葉の違いと捉えられてしまったのでしょう。
しかし、たとえ数千人の企業がイノベーションを求め、短期的な事業でEXITを目指すのであればこれはスタートアップと言えます。

設立年数

設立年数で呼び方が変わるということはまったくありません。
間違った認識が浸透した背景としては、スタートアップという言葉が比較的新しい言葉であるためです。冒頭で説明したように、言葉が日本に入ってきたのは、シリコンバレー出身企業が世界に浸透した2010年頃と言われています。
それ以前は現在のスタートアップもベンチャーと同じくくりにされていたことが多かったようです。

かなこ
かなこ

説明ばかりではイメージがわきませんよね?具体的にスタートアップとベンチャーにはどのような企業があるのでしょうか?

スタートアップとベンチャーの企業例

一度は耳にした事のある企業を例に、それぞれの事業内容をみてみましょう。

スタートアップ企業例:楽天株式会社

楽天はインターネット事業を主軸に成長した企業です。しかし1997年の創業当初は6名の企業でした。創業当時の頃のインターネットは、速度は遅くとても便利とは言えず世の中にも浸透していませんでした。それでも長期的な目線でインターネットの可能性を信じ、代名詞となったインターネットショッピングのシステムを立ち上げたのです。

参考:楽天株式会社公式サイト、Rakuten.Today、「楽天の創業秘話」

今や大企業となった楽天ですが、創業当初はインターネットが普及する前であったため、現実的でないとしてあまり賛同を得られなかったそうです。それでも長期的な戦略となることは承知の上で、今までにないサービスを展開させた代表的なスタートアップ企業と言えるでしょう。

その他の有名スタートアップ企業例
株式会社メルカリ・スマートニュース株式会社など

ベンチャー企業例:株式会社スープストックトーキョー

スープストックトーキョーは1999年創業の飲食店です。最近では全国に60以上の店舗を構えており、街中でも見かけることが多くなりました。しかし創業当時は、女性がひとりで食事ができるファストフード店が世の中に存在していない時代でした。時代とともに働く女性が増えつつある中で、安全でおいしい食事がゆっくりとできる場所の提供を発案しました。そして今もなお、働く女性が自分の「居場所」として共感できる場を提供し成長を続けています。

参考:Soup Stock Tokyo公式サイト、「わたしたちについて」

このようにスープストックトーキョーは時代背景を上手く読み、外食産業のマーケットにおいて新たな切り口で攻め込むことでベンチャー企業として成長を遂げたのです。

その他の有名ベンチャー企業例
株式会社リクルート・株式会社ぐるなび・合同会社DMM.comなど

かなこ
かなこ

今回はスタートアップとベンチャーの違いについて説明をしてきました。
普段、意味が混在しがちなスタートアップとベンチャーですが、実はしっかりとした違いがあったのです。記事を参考に、少しでも起業の方針決めなどにも役立つことができたら嬉しいです!

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