リモートハラスメントの原因と対策!カメラの事例なども解説!filterリモートハラスメントの原因と対策!カメラの事例なども解説!

リモートハラスメントの原因と対策!カメラの事例なども解説!

「最近リモートワークが増えてきたけど、リモートワークでもパワハラとかセクハラってあるのかな?具体的にどんなリモートハラスメントがあって、どう対策すればいいのか知りたい」
こんな悩みを持つ方向けに、リモートハラスメントについてまとめています。

当記事では、リモートハラスメントの基本から、注目される背景、該当する境界線、事例ランキング、原因と対策まで解説しています。
リモートワークを実施する機会が多い人は、いつの間にかリモートハラスメントを受けていないか、している側になっていないかを認識するためにも、ぜひ参考にしてみてください。

リモートハラスメントとは?

リモートワークしている男性

リモートハラスメントとは、リモートワーク中に起こりうる「パワハラ(職場内の地位や権力を利用した嫌がらせ)」「セクハラ(性的な嫌がらせ)」「モラハラ(道徳に反した嫌がらせ)」「マタハラ(妊娠や育児などに関する嫌がらせ)」などを、オンライン上で受けることの総称です。
リアルな職場では、各ハラスメントの呼び方で呼ばれますが、オンライン上での各ハラスメントに関しては、まとめてリモートハラスメントと呼ばれることが多いです。

リモートハラスメントが注目される背景

リモートハラスメントが注目されている背景として、リモートワークが爆発的に増えたことが要因です。
リモートワークは「多様性のある働き方」が推奨されてきたことにより、近年増えてきた働き方です。
そして、コロナウィルスの感染拡大により、人との接触を避ける目的で、政府からも推奨されているため、感染拡大対策として多くの企業が導入しています。
オンライン上で仕事が完結できることから、自宅や近くのオフィスなど会社に通勤しなくてもおこなえる職種(IT系や事務系など)の、リモートワークが増えたためです。
慣れない中での導入も多く、リモートワークに関する最適なルールや環境が整っていない企業もあります。
さらに、リモートワークならではの問題点もあり、リモートハラスメントが増えていることから注目されているというわけです。

リモートハラスメントの境界線

実際にリモートハラスメントになるのは、どんなケースが考えられるのかを解説します。
今回は、事例の数が多いカメラに関するリモートハラスメントで、境界線の解説をしていきます。

カメラのONはリモートハラスメントになる?

結論を先に言えば、カメラのONを指示するのは「正当な理由があればリモートハラスメントにはならない」というのが現状です。

リモートワークに必要不可欠なのは、WEB会議ツールです。
WEB会議ツールは自社やクライアントとのやり取りで、非常に有効な手段と言えます。
遠方にいても顔を見ながらの会議を簡単におこなえることもメリットです。
ですが、このWEB会議においてカメラに関するリモートハラスメントを感じる人が多いようです。
上司によっては「会議だからカメラをONにして顔出しをしながらおこなうのが当たり前」なんて人がいます。
ですが、顔出しや部屋の風景が映るのを嫌がる人もいます。
このような人に対して、カメラのONを指示すると、リモートハラスメントだと捉えられる可能性があるのです。
嫌がる人の理由で多いのは「プライベートが垣間見えてしまうから」というもの。
確かに部屋の背景や、リモートワーク中の服装や女性で言えば化粧など、見られたくない環境なのかもしれません。

ですが、WEB会議をおこなうにあたって「カメラをONにしなければならない正当な理由」があって指示するのは、リモートハラスメントには該当しません。
顔を見ながらの会議は、相手の感情や緊張感などが生まれやすいため、オンラインだからこそ必要だという考え方もあります。
ですが、個人的な感情や理由だけで嫌がっている場合、相手が優しくカメラのONを求めても「強要」だと捉えてしまう可能性があるので注意が必要です。
ある程度のやり取りで応じない場合は、関係性悪化を防ぐためカメラのONを控えるという判断も必要です。
上司の中には、カメラのONに必要性を感じない人もいるため、状況に応じて使い分けるのが良いでしょう。

リモートハラスメントとハッキリ認識されるのは、カメラをONにしない相手に対して「暴言などのハラスメント行為」をおこなった場合です。
個人的な感情をぶつけてしまったり、嫌がらせをしてしまったりすると、リモートハラスメントとして認識されてしまいます。
ですから、境界線としては「カメラをONにする正当な理由があって、暴言などのハラスメント行為がなければ、リモートハラスメントには該当しない」ということです。
逆に「正当な理由もなく感情任せで強要して応じない相手に対し、暴言を吐いたり嫌がらせ行為などをすればリモートハラスメントに該当する」と認識しておきましょう。

リモートハラスメントと実感した事例ランキング

株式会社ALL CONNECTが、リモートワークをおこなっている人に対し「リモハラだと思う上司の言動TOP10」を調査しています。
このランキングについて、ご紹介するとともに解説します。
※上司自身もモラハラだと感じるかの割合も合わせて、ご紹介します。

1位 カメラを常時接続させる(部下86% 上司82%)

先ほども解説したとおり、カメラを常時ONにさせるのは大多数がリモートハラスメントだと認識しているようです。
大きな理由としては「部屋を見られたくない」「自宅での姿を見られたくない」など、プライベートな状況や空間が関わってくるのが要因です。
どうしてもカメラONの必要性がある場合、ZOOMなどでは背景のぼかしや差し替えができるため、部屋の背景を見られたくない人にはオススメです。
顔に関しても、美肌機能などを活用すればある程度の対策はできるので、一度調べてみましょう。

2位 部屋全体を移すように求める(部下84% 上司80%)

こちらもカメラ関連ですが、中には相手だけではなく「部屋全体を映す」ことを指示する上司もいるようです。
部屋全体までいけば、プライベート空間をさらけ出すことになり、嫌悪感を出すのも無理はありません。
このため、業務に必要なやり取りができれば「部屋全体を映す必要性がない」と思っているのは、部下も上司も多いことが割合から分かります。
業務に必要がなく、仕事の枠を超えた言動に関しては、リモートハラスメントと言わざる負えないでしょう。

3位 体型を話題にする(部下74.7% 上司76.7%)

お腹を抑えて体型を気にする人

リモートワーク中は、自宅など会社へ出社しない事が多いため、通勤などで消費する一日の活動量が減りがちです。
そのため、リモートワーク中に体重が増えてしまう人もいます。
WEB会議を頻繁におこなわない場合、少し見ない間に体型が変化している可能性があるため「少し太った?」などの、体型に関する話題は避けたほうがいいでしょう。
女性であれば体型の変化に言及するだけで、セクハラと捉える人もいます。
自ら体型の変化について話題を振ってきたら、軽く話題にするくらいがいいのかもしれません。

4位 部屋にあるものを話題にする(部下72% 上司75.3%)

背景変化がおこなえないツールの利用時や、背景変化を活用しない場合は、部屋にある物が映ってしまうことがあります。
その物に対して、必要以上に深堀りすることはリモートハラスメントと捉えられるようです。
そもそも、業務のためにおこなうWEB会議ですから、業務以外の話題に関しては話題にしないほうが無難です。
ある程度の信頼関係があるのであれば、多少の世間話程度であれば大丈夫でしょう。

5位 同居人の声や生活費などを話題にする(部下68% 上司74%)

自宅でリモートワークをしていると、一人暮らし以外の人とのWEB会議をしていると、奥さんや子供、ルームメイトなどの同居人の声を拾ってしまうことがあります。
これらは完全にプライベートな領域であり、顔見知りの相手以外は触れられたくないと思っている人が多いようです。
生活費に関しても、業務には関係ないプライベートでセンシティブな話題なので控えるのが無難です。

6位 バーチャル背景(ぼかし)を消すよう求める(部下66% 上司72.7%)

背景を設定しているということは、映したくない物があるなど「プライベート空間を見せたくない」などの現れです。
これを無理に消すように指示することは、リモートハラスメントと捉えられても仕方ありません。
背景を設定していることで、業務に支障をきたす場合は指摘しても構いませんが、そうでなければ消すように指示することは意味がないと言えます。

7位 髪形やメイクを話題にする(部下62% 上司68%)

髪型に関しては、男性でも女性でも気にする人がいることから、あまり触れなくてもいい部分でしょう。
特に女性に関しては、自宅からWEB会議に参加する場合、会社で見るよりもメイクが違う場合もあります。
こうした容姿に関して言及するのは、体型同様にリモートハラスメントと捉えられがちなので、自ら話題を振ってこない限りは話題にしないほうがいいでしょう。
あまりにも業務中に相応しくない髪型(寝癖がひどいなど)の場合は、指摘しても問題はないでしょう。
ちなみに、上司のランキングでは9位となっています。

8位 社内チャットに必ずリアクションを求める(部下58.7% 上司70%)

チャットツールでの連絡事項は、リモートワークをしていれば必須の業務と言えます。
ですが、すべてのチャットに「必ずリアクションを求めてくる」のは、リモートハラスメントと捉えている人がいるようです。
もちろん、自身宛てや関係のあるチャットであれば、リアクションは必要でしょう。
ですが、それ以外のチャットにまでリアクションを求められても、それは意味がなく過剰だと言えます。リアクションは、必要最低限で十分でしょう。

9位 決められた時間にカメラを接続させる(部下56.7% 上司62.7%)

カメラオンでビデオ会議する人

「カメラON+時間指定」は、その必要性を部下が認識していれば問題ではないですが、そうでなければリモートハラスメントだと感じるようです。
時間指定でカメラをONにしなければ、業務に支障をきたすのであれば、正当な理由として指示することは可能でしょう。
必要があれば、事前の説明でしっかりと認識してもらうことが大切です。ちなみに、上司のランキングでは10位となっています。

10位 服装を話題にする(部下55.3% 上司70.7%)

会社以外での業務ということで、服装に関しては少しカジュアルになることが多いでしょう。
そうした服装に関する話題も、リモートハラスメントの原因になるかもしれません。
業務中ということで社内WEB会議の際には、少しカジュアルな服装でも問題とならない事が多いです。
ですが、相手がクライアントである場合は、通常の業務と同等の服装を心がけたほうが少なくとも嫌な思いはされないでしょう。
ちなみに、上司のランキングでは7位となっています。

リモートハラスメントが起こる原因

リモートハラスメントが、なぜ起こるのか原因を解説します。

気の緩み

会社以外の場所で業務をおこなうということもあり、気が緩んでしまうことが挙げられます。
特に自宅でのリモートワークの場合、プライベートな空間での業務になるため、普段よりも緊張感やメリハリが付けづらくなります。

体制が整っていない

リモートワーク自体に慣れておらず、実施に対しての体制が整っていない場合も、リモートハラスメントが起こりやすい原因と言えます。
特にコミュニケーション不足になることを不安がっている上司が多く、いつもよりも過剰に指示してしまったり、ストレスを抱えてしまうことがあります。

リモートハラスメントを防ぐ対策

リモートハラスメントを防ぐには、どうすればいいのか対策を解説します。

実態の調査やアンケート実施

リモートワーク中の社員に対し、実態調査やアンケートをおこないましょう。
実際に現場で感じている部分を、しっかりと把握する必要があります。
これにより、原因究明と対策を検討してください。
また、専用の相談窓口を設置するなどして、リモートハラスメントに対する相談が気軽にできる環境構築も大切です。

明確なルール決め

実態が把握できたら原因に対して対策できるように、リモートハラスメントを防ぐための明確なルールやマナーなどを決めていきましょう。
決めたルールやマナーを対象者に対して、しっかり周知して認識してもらう機会を作ります。

対象者や管理者への教育

周知するだけでは意識に定着しづらいため、対象者(部下と上司)に対して、リモートハラスメントに関する研修などで実例などを元に教育しましょう。
リモートハラスメントを、しっかり理解することが大切です。

リモートハラスメントを理解して防ごう

社内メッセージでやり取りをしている様子

ウィズコロナで爆発的に増えてきたリモートワーク。
同時に増えてきたのがリモートハラスメントです。
オンライン上で起こる「パワハラ・セクハラ・モラハラ・マタハラ」などの総称であり、リモートワーク特有のハラスメントと言えます。
自宅などのプライベート空間での業務で生産性や利便性が増す一方、コミュニケーション不足やストレス増加といった問題もあります。
こうした実態を把握して明確なルールやマナーを決め、社員や管理者に教育して理解を促すことが重要です。
ウィズコロナ時代は、しばらく続くことが予想されていますので、今のうちに対策をおこなってリモートハラスメントを防いでいきましょう。

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