リファラル採用とは?導入方法からデメリットまで徹底解説!filterリファラル採用とは?導入方法からデメリットまで徹底解説!

リファラル採用とは?導入方法からデメリットまで徹底解説!

当記事では、リファラル採用の基本的な部分や、混同しやすい縁故採用との違い、メリット・デメリット、導入時期や流れ、意識したいポイントを解説します。リファラル採用を活用することで、採用に関する悩みが解消される可能性がありますので、参考にしてみてください。

リファラル採用とは?

リファラル採用とは?

リファラル採用とは、社員の知人や友人に自社を紹介してもらい、新たな人材を採用する制度です。「リファラル」とは英語で「referral(紹介・推薦)」という意味があり、社員が紹介や推薦をすることから、リファラル採用と呼ばれています。別名「リファラルリクルーティング」ともいい、自社にマッチした人材採用が可能であり、採用コストを抑えられるなどのメリットもある採用方法です。欧米では認知されていますが、日本でも認知されつつある採用方法となります。

リファラル採用が必要とされる背景

日本では少子高齢化の影響もあり、15歳以上65歳未満の「生産年齢人口」が1990年代から減少し続けています。現状で人手不足は問題になっていますが、将来的にも生産年齢人口は増加の見込みが立たないと言われています。これからの時代において採用しようにも難易度が高くなることが予想され、他者との奪い合いになる可能性がるでしょう。特に優秀な人材は引く手数多ですから、採用の入り口を少しでも広げる必要があります。

このような時代だからこそ、長期で人材育成をしたいところです。ですが、採用前と採用後のギャップによって、早期退職してしまうケースがあります。こうしたギャップを生ませないためにも、リファラル採用を活用すると効果的です。実際に働いている社員が会社のリアルな状況や仕事などを紹介相手に伝えることで、より理解度が深めることができます。採用の選択肢を広げ信頼できる相手からの紹介により、人材確保が有利に進められる可能性があるため、リファラル採用が必要とされています。

リファラル採用と縁故採用の違い

リファラル採用と混同しがちなのが「縁故採用」です。縁故採用は「コネ入社」とも呼ばれ、経営者・経営幹部などの紹介によって入社することができます。両者の大きな違いは「権限を持つ者からの紹介かどうか」「明確な採用基準があるかどうか」です。縁故採用では、ある程度の権限を持つ幹部の方からの推薦が多く、よほどの理由がない限りは入社することができるでしょう。ですが、リファラル採用は社員の推薦により、明確な採用基準をクリアした人材が対象となります。

リファラル採用のメリット

リファラル採用には様々なメリットがありますので、それぞれ解説します。

採用コスト削減

採用コスト削減

通常、企業が人材確保する際には、求人サイトや求人誌といったサービスの力を借りて募集します。こうしたメディアを通じて採用活動をするには、掲載料や成果報酬の支払いが発生します。例えば、成果報酬型であれば採用した社員年収の約30%ほどや、4週間ごとの掲載で約20万円ほどといった具合です。掲載料や成果報酬に関しては、サービスを運営している企業によって変化します。人材不足で、まとまった人数を採用する際には、それなりに大きなコストが発生するわけです。ですが、リファラル採用を活用すれば、社員がリクルーターとして採用活動をおこなってくれるため、こうした採用コストが削減しやすくなります。

自社にマッチした人材確保

通常の採用とは違い、実際に働いている社員から社風、職場環境、人間関係、業務内容、給与制度など、リアルな話を聞くことができます。会社がどんな人材を求めているのかも含めて、通常の採用方法よりもマッチング率が高いと言えます。早期退職する原因の1つは「入社する前と入社後のギャップ」が挙げられます。やはり細かい部分で分からないことのほうが多く、特に面接時には緊張感があり聞きづらいこともあるでしょう。リファラル採用であれば、友人や知人ということもあり疑問点を聞きやすいことや、「すでに仲間が働いている」という安心感もあります。

潜在する優秀な人材確保

求人サイトや求人誌などを活用した募集も効果的ですが、それでは転職を本格的に考えていない方へのアプローチは難しいでしょう。現在、転職を考えていなくても、潜在的に考えている方はいます。そういった方へのアプローチ方法としては最適です。なんらかの理由で休職中の方や他者で勤務している方の中には、自社に必要な優秀な方もいる可能性があります。こうした方に対して、社員がリクルーターとなって接触することで、通常の方法では採用できない優秀な人材を発掘して確保することが可能になります。

採用過程の簡略化

採用は、説明会を開いたり複数回の面接をおこなったり、手間や時間がかかります。リファラル採用であれば、紹介社員からの事前説明を受けている状態で、信頼できる社員からの紹介であること、採用に一定の基準を設けているためスムーズに採用が進められます。企業側にとっては、リクルーターとなる社員から「どんな人物なのか」を事前に把握しやすいため、面接回数の削減になるでしょう。採用の手間が省けるようになれば、採用過程で使う時間や社員の手間を大きく削減することができます。人事に関わる管理職や社員にとっては、その分、他の業務に専念することができるため業務効率化につながります。

リファラル採用のデメリット

リファラル採用にはデメリットもありますので、それぞれ解説します。

人材が偏る可能性

リクルーターである社員の紹介になるため、その社員と紹介される社員の適性や専門性がかぶることがあります。元々、その分野での人材採用強化が目的であればいいのですが、そうでない場合は事前にしっかりと確認をしておく必要があります。そして、リクルーターになる社員には、採用に関する教育も必要になります。友達感覚で曖昧な誘い方をするだけでは、企業が本当に必要としている人材ではないこともありえます。こうしたミスマッチな採用が転職後に発覚した場合、紹介した側と紹介された側、企業側との間に摩擦が生まれる可能性があります。採用したものの、企業側は社員の扱いに困るかもしれませんし、紹介された側も企業内で「必要とされていない」という間隔に陥るかもしれません。そうならないためにもフォローは必須です。

採用に時間がかかる場合も

採用に時間がかかる場合も

すでにメリットで解説したとおり、企業側の採用過程においては簡略化しやすくなります。リクルーターである社員が声を掛けたときに、タイミングよく求職中であるのならスムーズに進むでしょう。ですが、現職として他社で活躍している優秀な方を、ヘッドハンティングのような形で引き抜く場合は時間が必要でしょう。アプローチから内定までの期間が、人によっては長くなるかもしれません。紹介されてきた方は、すぐに入社を希望していないケースもあります。そして優秀な人材であるほど、現職での待遇がいいはずです。特に、企業側が採用を急いでいる場合は、すぐに採用が難しい方が多いかもしれません。リファラル採用を導入する際は、採用期間を長めに見ておくといいでしょう。

既存社員への周知と教育

社内への周知や理解が不十分である場合、社員が積極的に協力してくれるとは限りません。リファラル採用を実施する際には、明確な目的と社員への周知を徹底しておくと良いでしょう。さらに、社員が主体となって採用活動をおこなうにあたり、企業が求めている人材の募集概要を、理解してもらう必要があります。採用にあたって、募集概要の詳細や採用活動をする際のポイントなどの教育をしましょう。このように、周知や教育がされていなければ、採用時の手間が増えてしまったり、採用後のギャップが発生し早期退職の可能性も高まってしまいます。人材確保が困難になりつつある時代ですから、こうしたミスマッチを事前に避けるための対策が必要になります。

採用後のアフターケア

リファラル採用で採用された社員が、ミスマッチにより早期退職してしまうことがあります。その際に、紹介した側と紹介された側、企業と紹介した社員、紹介した社員と職場の社員などの関係が悪化することもありえます。そうなれば、仕事へのモチベーションがダウンし、生産性低下につながるでしょう。最悪の場合、紹介した社員まで周りと気まずくなり、早期退職してしまうかもしれません。ですから、紹介された社員、紹介した社員ともに採用後のアフターケアも必要になります。採用後は適切な配置をおこない、業務が円滑に進むように企業側が配慮することが大切です。せっかく採用しても、そうした配慮がないばかりに優秀な人材が失われることは、大きな損失になるでしょう。

リファラル採用がオススメな時期

リファラル採用は、求人サイトや求人誌の属性ではない「潜在的」なターゲットを発掘することができます。他社で活躍している優秀な人材の確保に加え、採用過程を簡略化できることによる採用コスト削減も期待できます。こうした人材は、すでに安定している企業のみならず、スタートアップやベンチャーにも効果的と言えます。人材コストは企業にとって大きく、安定性がなく資金面でも不安な創業期には負担になるでしょう。特に優秀な人材を確保するためには、大きなコストが発生しやすいです。ですから、起業したてのスタートアップや成長過程のベンチャーには、オススメの採用方法と言えるでしょう。

リファラル採用の導入方法

実際にどのような流れで導入していけばいいのか、それぞれ解説します。

リファラル採用の認知

まずはリファラル採用について、社員への認知をおこないましょう。リファラル採用を導入していない企業の社員からすれば、目的やどんなメリット・デメリットがあるのかを周知しておくことが大切です。リファラル採用は社員が主体となっておこないます。社員が採用活動をスムーズにおこなえるように、現状で必要な人材や募集概要などを明確にしておきましょう。

リファラル採用制度の設計

リファラル採用は、通常の採用過程とは異なります。企業に紹介する人材の条件、紹介した社員へのインセンティブ額、採用前後のフォロー体制など、採用に関わるルールや仕組みを明確に設計するとスムーズにおこなえます。社員が進んで協力してくれる環境を構築します。

専用ツール導入を検討

リファラル採用専用ツールを活用することで、より効果的に採用活動をおこなうことができます。導入にあたり様々なサポートを受けられるツールもありますので、初めてリファラル採用をおこなう企業は、自社にとってなにが必要なのかを明確にして選定するといいでしょう。

社内への周知

リファラル採用のルール、インセンティブ、専用ツールなどの決定事項を、社内に周知しましょう。企業にとっても社員にとってもメリットがあるという部分を認知してもらい、採用活動がスムーズにおこなえるようにします。

現状把握と改善点の洗い出し

必要事項を決定し、社内への理解と周知が完了したら実行しましょう。実行後は、リファラル採用がどの程度浸透しているのか、採用実績の把握など現状確認が必要です。定着までには時間が必要であり、社員からの意見も出てくるはずですので、改善点を見つけてよりよい制度にしていきましょう。

リファラル採用のポイント

社員が進んで協力してくれるような仕組みや、報酬を決めておきましょう。リクルーターとなる社員であれば、インセンティブ支給はもちろんのこと、採用実績を社内に周知するなどおこないます。紹介される側に対しては、気軽に社内の様子を見学できたり、話を聞けるような機会を設けるなど接点となるハードルを下げてみましょう。

リファラル採用を理解して有効活用しよう

リファラル採用を理解して有効活用しよう

リファラル採用は、社員が主体となって採用活動をする方法です。求人サイトや求人誌のターゲットではない優秀な人材の発掘や、採用コストの削減が可能になります。一方で、ミスマッチによる早期退職の可能性もあります。ですから、明確な制度設計と社内への周知と理解、紹介した社員や紹介された方へのフォローを徹底しておこないましょう。うまく活用することで人手不足問題を解消し、優秀な人材確保にも貢献してくれます。当記事でリファラル採用について理解が深まり、参考になったのであれば幸いです。

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