【10ステップで解説!】起業の仕方を学んでスムーズに開始しようfilter【10ステップで解説!】起業の仕方を学んでスムーズに開始しよう

【10ステップで解説!】起業の仕方を学んでスムーズに開始しよう

「起業しようと思っているけれど、具体的にどのような流れで起業すれば良いのだろう」
「起業の仕方を分かりやすく知りたい!」
こんな悩みを持っている方の為に、起業の手順を10ステップに分け、分かりやすく解説します。

起業の手順~10ステップ~

壁に立てかけられたはしご

何事にも「土台」は重要です。起業するにあたって、目的意識を明確化し、起業するまでの流れをしっかりと押えておきましょう。

1.起業の目的を明確にする

まずは「なぜ起業するのか」「起業を通じてどうしたいのか」など、会社として起業する根本的な目的を明確にしてみましょう。
例えば「この事業を通じて多くの顧客を救いたい」「この事業を通じてより便利な社会を目指したい」などです。
単純に「お金持ちになりたいから」といった個人的な目的では、困難な状況を打破するのが難しくなります。

資金を出資してもらう手段として、エンジェル投資家などに会社としての起業目的を明確に伝えられることで、出資してもらえる可能性も高まります。
起業後に軸がブレないよう、起業目的を明確にしていきましょう。

2.具体的な事業内容を考える

起業目的が明確になったら「どの業界で起業するのか」を、具体的に決めていきましょう。
とはいっても、いきなり素晴らしい起業アイデアが思いつく方は少ないと思います。
そこで、2つのポイントを意識してみましょう。
1つは「自分の棚卸し」、もう1つは「ニーズを捉える」というポイントです。

前者は、自分の「スキル」「人脈」「経験」などを棚卸するということです。
自分がこれまで経験したことや得意なことで起業したほうが、全く未経験の状態で起業するよりは成功しやすいでしょう。
後者は、現在必要とされているニーズを捉えて、需要のある業界で起業するということです。
前者と合わせてニーズがある業界で起業することができれば、より成功しやすくなります。

3.事業に許認可が必要か調べる

起業するときに見落としがちなのが、国や都道府県などに申請をして許可を得ないと営業できない「許認可」です。
許認可が必要な業種は数十種類指定されており、起業する内容が該当するのかを事前に調べておく必要があります。
調べた上で許認可が取得できそうであれば取得する必要がありますし、取得が難しいようなら別の事業への方向転換を考える必要があります。

許認可が必要な業種の例としては、旅館やホテルなどの「旅館業」、派遣会社の「労働者派遣事業」、食堂やレストランなどの「飲食業」などがあります。
さらに、取得後の有効期限の有無や、許可をもらう相手も異なります。
許認可について分からない場合は、行政書士などの専門家に相談してみましょう。

参考:許認可等の確認を要する業種一覧表

4.事業計画を作る

事業計画

事業計画書とは、今後「どのように事業を行うのか」という、具体的な内容を書く計画書のことです。
事業計画書は、事業を計画通りに行えるのかという思考の部分を可視化して再確認する目的と、次章にて解説する「資金調達」で金融機関や投資家への評価を高める目的があります。

事業計画書には、現実的で説得力のある内容が記載されていなければ、事業の運営や資金調達に影響を及ぼしてしまうので、かなり重要です。
決められたフォーマットはありませんが、事業計画書に書く主要な内容としては、下記のとおりです。

  1. 企業概要
  2. 事業内容
  3. 事業コンセプト
  4. 市場状況
  5. 競合優位性
  6. サービス・商品概要
  7. 販売戦略
  8. 体制・人員計画
  9. リスク・解決策
  10. 財務・資金計画


事業計画書は、できる限り詳細に、完成度が高いものを作りましょう。

5.資金調達方法を考える

事業計画書で立てた「資金計画」を基にして、資金調達を行います。
自己資金が潤沢になくても可能な資金調達方法はいくつかありますので、それぞれ解説していきます。

創業融資

おすすめなのが日本政策金融公庫の「新創業支援制度」です。

この制度は、新たに事業を始めたり、始めて間もない事業者が最大3000万円(運転資金は1500万円)を上限に融資を受けられます。

また「無担保・無保証人・低金利」で利用できるという利点もあります。


ただし「自己資金の要件」というものがあり、融資金額の1/10は自己資金(事業に使用する資金)を用意しておく必要があります。
1000万円の融資を希望する場合は、最低100万円の自己資金が必要になるということです。
さらに、過去にローン返済が滞っていたなどの信用情報に傷がついている場合は、融資が受けづらくなります。
その他、地方自治体がおこなっている創業融資もありますが、融資条件としては日本政策金融公庫のほうが利用しやすいので、検討してみてください。

参考:日本政策金融公庫 新創業融資制度

補助金
この制度の一番の特徴は「原則として返済不要」という部分です。
起業したてで資金に余裕がない起業家にとっては嬉しい制度です。ここでは2つの補助金をご紹介します。
1つ目は「創業補助金」です。
補助率2/3もしくは上限200万円まで補助金が支給されます。但し、募集期間が限定されていることや、補助対象の経費が限定されていることなどが、デメリットとして挙げられます。
2つ目は「小規模事業者持続化補助金」です。
卸売・小売・サービス業の場合は5人以下、宿泊・娯楽・製造・その他の業種の場合は20名以下で、50万円を上限に支給されます。


これらは「原則として返済不要」というメリットがあると同時に、支給されるまでに約1年ほどかかってしまうというデメリットもあります。
つまり、創業期の資金調達には向いておらず、つなぎの資金調達が必要になります。
審査もあり必ず支給されるわけではないため、他の資金調達方法を優先的に行い、確保した後にタイミングを見て応募するのが得策です。

ベンチャーキャピタル・エンジェル投資家

ベンチャーキャピタルとは、起業したてのスタートアップなど未上場の企業に対して、成長が見込めると判断されれば、株式と引き換えに返済義務のない出資を行ってくれる投資会社です。
エンジェル投資家は、いわゆる個人投資家でベンチャーキャピタルの個人版です。
どちらも、将来的に投資対象の会社が上場した際に、株の値上がりや配当金を得るのが目的です。

金融機関と違うところは、過去の実績などを重視するのではなく、起業アイデアをメインに評価してもらえる点です。
さらに、ベンチャーキャピタルでは、事業を成功させるための経営相談や支援なども行ってくれます。
但し、株式と引き換えに支援をしてもらうので、常に成果を求められるのは勿論、経営方針に口を出される可能性もあります。
起業アイデアに絶対的な自信があれば、ベンチャーキャピタルや個人投資家を活用するのも良いでしょう。

クラウドファンディング

クラウドファウンディングは、近年認知されてきた新しい資金調達方法です。
インターネット上の専用サービスを利用して、不特定多数の出資者に事業内容などをアピールして出資を募る方法です。
優れたサービスや商品を持っているにも関わらず、資金面がネックになっている企業や個人が、サービスや商品などと引き換えに活用します。
目標金額を設定できるため、希望金額の出資金を募ることが可能ですが、必ずしも希望金額に達するとは限りません。
自分たちで行うのが不安な場合は、クラウドファンディングでの資金集めを得意とする専門家もいるので、活用してみても良いかもしれません。

家族や知人からの借り入れ

これまでの方法よりも場合によって資金調達しやすいのが、家族や知人などから資金を借り入れる方法です。
金融機関やベンチャーキャピタルなどよりも、借り入れる敷居が低くなる一方で、借り入れた資金の返済が滞ってしまうと関係悪化につながる可能性があります。

本来であれば、家族や知人から借り入れるのは最終手段のほうが良さそうです。
状況的にどうしても必要であれば、口約束など曖昧な借り入れではなく、しっかり書面として形に残るような方法で借り入れる方が無難です。

6.個人事業主か法人か考える

起業するには大きく分けて2つの形態があります。それが「個人事業主」か「法人」かです。
個人事業主は個人で開業する場合であり、最も簡単に手続きできる形態です。
個人事業主はフリーランスとも呼ばれます。法人は株式会社や合同会社などあり、個人事業主よりは手続きも複雑な形態です。
まずは、どちらで始めるのか考えましょう。

両者は始める時の手続きの難易度や、それぞれのメリット・デメリットはありますが、大きな違いとしては信用と税金面の差でしょう。
個人事業主の税金計算は簡略化されている反面、節税効果や信用は法人よりは少ないです。
法人の税金計算は複雑ですが、節税効果や信用が高いです。
個人事業主として始め、事業が大きくなってきたら法人へ形態を変える「法人成り」が可能なので、個人事業主から始めるという選択肢もあります。

7.起業するタイミングを考える

起業するタイミングも決めておきましょう。
基本的には起業するタイミングは、いつでも大丈夫です。
一般的には4月に起業するパターンが多いのですが、4月だからメリットがあるかと言われれば特にありません。
ただ多くの会社の年度末が3月なので、4月起業というのは分かりやすいといえます。
あとは、資金調達の状況であったり、一緒に起業する仲間の状況次第で起業するタイミングを考えましょう。

また、勢いに乗ることで先行者利益が狙える、時期的な商品やトレンドを意識したサービスを展開する場合は、そのタイミングを狙って起業することも重要なパターンとして覚えておくと良いです。

8.起業する場所を考える

オフィスの様子

起業する場所は、あらゆる場面で重要になります。
集客するにしてもアクセスが良い立地にすべきですし、取引先からの信用を得るためにも考えるべきポイントです。
さらに、起業する時に一番ネックになる資金問題にも大きく関わってきます。
立地が良いほど家賃も高くなるため、ランニングコストが大きくなりがちです。
さらに許認可が認められるかどうかや、創業支援の結果にも影響が出る可能性がありますので、しっかり考えておきましょう。
初期費用を抑えたいのであれば、自宅開業が一番安上がりで簡単ですが、信用という面では疑問が残ります。
起業したてであれば、立地の良さに加え、費用や信用でバランスの取れた「レンタルオフィス」がおすすめです。
起業に必要な設備やサービスが一通り整っている為、必要最低限の費用と設備で始めることができます。
ただ、許認可が必要な業種によっては、レンタルオフィスでは認められない場合があるので、良く確認しておきましょう。

9.起業時の提出書類

ここまで準備できたら、あとは起業時に必要な書類を提出しましょう。
個人事業主と法人では、それぞれ提出書類が違うので理解しておきましょう。

税務署

法人(株式会社)の場合
  • 登記申請書
  • 定款
  • 資本金払い込みを証明する書類
  • 発起人の決定書
  • 取締役の就任承諾書
  • 印鑑届出書
  • 印鑑証明書
  • 登記事項を保存したCD-R
  • 調査報告書
  • 財産引継書
  • 印鑑カード交付申請書
個人事業の場合
  • 開業届


10.起業後の提出書類や手続き

起業後にも、税務署や年金事務所などへの提出書類があります。
こちらも個人事業主と法人では異なりますので、それぞれご紹介します。

税務署

法人の場合
  • 法人設立届出書(都道府県税務署と市町村役場)
  • 給与支払事務所等の開設届出書
  • 青色申告の承認申請書
  • 源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書(必要であれば)
  • 消費税課税事業者選択届出書(必要であれば)
  • 消費税簡易課税制度選択届出書(必要であれば)
個人事業主の場合
  • 事業開始等申告書(都道府県税務署と市町村役場)
  • 所得税の青色申告承認申込書(必要であれば)
  • 青色事業従業者給与に関する届出書(必要であれば)

年金事務所(必要であれば)

  • 健康保険・厚生年金保険新規適用届
  • 健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届
  • 健康保険被扶養者(異動)届
  • 国民年金第3号被保険者資格取得届

労働基準監督署(必要であれば)

  • 時間外労働及び休日労働に関する協定届
  • 労働保険関係成立届
  • 労働保険概算保険料申告書
  • 適用事業報告

ハローワーク(必要であれば)

  • 雇用保険適用事業所設置届
  • 雇用保険被保険者資格取得届


書類は必要になった時点で、できる限り早く提出します。
そして、このタイミングで事業用口座開設、創業融資資金調達の申し込み、従業員雇用などを行い事業をスタートさせましょう。

起業の手順を理解してスムーズにスタートさせよう

デスクに置かれたPC

いかがでしたでしょうか。
当記事での起業の手順は、大きく分けて10ステップとなりますが、それぞれの段階を焦ることなく着実にこなしていけば大丈夫です。
何か不明な点があれば、専門家や先輩の起業家に聞きながら進めていくのが良いでしょう。
慣れないことの連続で、初めは戸惑うこともあるかも知れませんが、当記事が少しでも皆さまの起業の手助けになる事を祈っています。

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