グローバル人材に必要なスキルとは?育成方法や課題まで解説filterグローバル人材に必要なスキルとは?育成方法や課題まで解説

グローバル人材に必要なスキルとは?育成方法や課題まで解説

「将来的にグローバルなビジネス展開を考えている。グローバルな人材とは、具体的にどういう人材なのか?必要なスキルや育成方法などを知りたい」
「グローバルに活躍できる人材になって世界に出て働きたいけど、どんなスキルが必要なんだろ」
こんな悩みを持つ方向けに、グローバル人材についてまとめています。

当記事では、グローバル人材の基本的な部分から、なぜ必要とされるのか、育成するメリット、必要なスキル、育成方法、課題などを解説しています。
グローバル人材について理解して学ぶことで、ビジネスチャンスが広がります。ぜひ参考にしてみてください。

グローバル人材とは?

地球儀を持っている人

簡潔に言えば「世界に通用する人材」のことです。
昨今では、日本国内のみにとどまらないグローバルな事業展開をしている企業が多く、世界中にビジネスチャンスを広げています。
日本国内だけでは成し得なかったことが、グローバル展開することによって達成できていることもあり、世界で活躍できる人材は企業にとって貴重な存在です。

グローバル人材はなぜ必要なのか?

大きな要因は「日本の人口減少問題」です。
日本では人口減少が進んでおり、総務省の2020年におこなわれた国勢調査によると「5年で178万人減少」しているという結果になっています。
実際に公表されている数値は94万人とのことですが、これは外国人人口が84万人に増えているため、差し引きされた数字が94万人ということです。
純粋な日本人人口は、着実に減少している現状があり、2020~2030年の間には1100万人の減少が予想されています。
人口が減るほど経済への影響が大きくなり、景気が低迷してしまう原因になるでしょう。
こうした人口減少は今後も続くと見られているため、日本国内だけでビジネス展開するのはリスクと言えます。
だからこそ、国内のみならず世界に向けたビジネスの拡大を考えていかなければいけません。

こうした人口減少にともない、15~64歳までの生産活動がおこなえる年齢層を「生産年齢人口」と言いますが、この数字も年々減少傾向にあります。
総人口とともに2008年をピークに減少し続けており、労働の人材確保が困難になってきているのが現状です。
世界に向けて展開したいと思っても、こうした労働を担う人口が減ってからでは、グローバルな人材を確保したくても難しくなる可能性があります。
ですから、今のうちに確保や育成しておくことで、将来的に世界へ展開する際の大きな資産になるというわけです。

グローバル人材を育成するメリット

グローバル人材を育成するメリットを解説します。

ビジネス拡大に貢献してくれる

「グローバル人材はなぜ必要なのか?」でも解説しましたが、グローバル人材を育成することは、国内だけではなく海外への展開がしやすくなります。
ビジネス拡大のチャンスが生まれるでしょう。
日本の人口減少問題から、このまま減り続けることで日本経済が現在よりも低迷してしまう可能性があります。
今のうちから先を見据えて、対策しておくに越したことはありません。
この対策の一環として、将来的に世界へ展開できるようグローバル人材の育成が大切です。

さらに、日本よりも海外で製造などをすることにより、コストを大幅に削減できるメリットがあります。
アパレルでよく見かけるのは「中国」や「ベトナム」製の服ですが、国内で製造するより人件費などのコストを大きく削減することが可能です。
ジャパンクオリティと呼ばれるだけあり、日本製のものは安心感と信頼感が高いですが、その分だけ価格が高めになります。
業種によっては、海外の環境を活用することでビジネス拡大を狙えるため、海外でのインフラを整えたり管理したりする、グローバル人材は貴重と言えます。

そして、グローバル人材は日本の仕事を最低限できるスキルがあるうえで、海外でも活躍できる能力が求められます。
こうした人材を育成したり、確保することで自社にとっては大きな資産になるでしょう。
育成には多くの時間とコストが必要になりますし、確保するにも人件費は高くなりますが、将来への先行投資だということを理解するのが大切です。

グローバル人材になるために必要なスキル

グローバル人材になるためには、どんなスキルが必要なのかを解説します。

語学力

本を読んでいる子供

世界で活躍する人材になるためには、語学力が必要不可欠です。
特に英語に関しては、世界でも共通の言語と言っても過言ではなく、ビジネスの現場では英語での商談がメインです。
求められるレベルによりますが、日常レベルの会話はもちろんのこと、ビジネス英語のスキルもあったほうがいいでしょう。
多国籍な職場であれば、英語の訛りがある可能性があるため、相手の言葉を正しく理解し聞き取れることも必要とされます。
その他、英会話のみならず、英文での文章や契約書作成などの事務的なスキルも必要です。

コミュニケーション能力

日本と海外とでは、言葉の言い回しや相手を察する文化が異なります。
日本人は、湾曲的な言い回しが多いハイコンテクスト文化ですが、外国人は、直接的で分かりやすいローコンテクスト文化が多いです。
ですから、日本人には伝わることでも、外国人には伝わらないこともありますから、うまく伝えるためのコミュニケーション能力も重要です。
ビジネスに関することのみならず、日頃から視野を広げて情報収集しておくことで、相手との会話もしやすくなって距離が縮まりやすくなるでしょう。

主体性・積極性

海外で活躍できる人材には、自ら率先して動ける主体性や積極性が求められます。
まだ経験したことのない環境や仕事に対して、ポジティブに捉えて動けることが重要です。
特に日本の教育では、個性を伸ばすよりも集団行動を重視することが多いため、個を出して自ら動こうとする人材は少ないと言えるでしょう。
「日本人は質問が苦手」と言われることもあり、集団の中で目立つことを避ける傾向にあります。
ですが、海外では逆に個性を評価する傾向にあり、主体性や積極性を持っていたほうがプラスです。

チャレンジ精神

日本で働くにもチャレンジ精神は重要ですが、異文化が交わるビジネス環境においては、初めてチャレンジすることが増えるかもしれません。
その際に、慣れない環境で壁にぶつかっても乗り越えようとする、チャレンジ精神が必要不可欠です。
特に、国際競争はスピードやオリジナリティで勝ち抜くことが大切であり、何をするにも簡単に成功できるわけではありません。
常に情報を収集しつつ、新たな製品やサービスを企画し、失敗を恐れない姿勢が生き残るために必須と言えます。
そうした人材に刺激を受けて、周りの社員も企業も成長することができるでしょう。

協調性・柔軟性

拳を合わせて協力している様子

異文化をバックグラウンドに持つ外国人と関わると、なかなか相手の意見に賛同できないこともあるでしょう。
ですが、それでは先に進むことができないため、相手の意見をしっかり聞いて理解することができる協調性や柔軟性が大切です。
さまざまな人材がいる中で、こうした協調性や柔軟性を身に付けていれば、上に立った時に必ず役に立ちます。
そして、日本では通用していたことが海外では通用しないこともあり、その都度、臨機応変に対応することができるかも、グローバル人材として必要とされるかのポイントです。

責任感・使命感

与えられた仕事を遂行する責任感や使命感は、とても大事なものです。
これは日本や海外関係なく、全世界共通でありビジネスマンとして必要最低限の能力と言えます。
これらのスキルに関しては、日本人は世界的にも評価されているため、海外でも大きな武器になるでしょう。

日本人としての強み

グローバルに活躍するには、日本人ならではの強みも必要です。
日本人としての価値観、視点、考え方などは、1つのオリジナリティとして海外でも強みになります。
国際競争を勝ち抜くためにも、こうした日本人ならではの強みを最大限に活かして、差別化できるかが大切です。

グローバル人材の育成方法

グローバル人材を、どう育成するのかを解説します。

グローバル化研修

まずは、グローバル化に対する社員への理解を得ることが大切です。
「なぜグローバル化が必要なのか?」「グローバル化でどんなメリットがあるのか?」「どのような異文化があるのか?」など、グローバル化研修を実施しましょう。
こうした土台を整えることで、スムーズな人材育成に貢献してくれます。

語学研修

TOEICや英会話など、英語力をアップさせる研修をおこないましょう。
コロナ禍でなければ、海外の語学学校への留学という選択肢もあります。
ウィズコロナでは感染拡大の不安があるため、オンラインレッスンの活用がオススメです。
関わる業務によって求められる英語力は異なりますが、ビジネスでも通用するレベルまで高めることができれば強みになります。

海外研修・異文化体験

異文化を実際に体験する海外研修や、触れ合うことで理解が深まる異文化体験などをおこないましょう。
コロナ禍では、海外研修が実施しづらいため、異文化体験などで理解を深められる研修をおこなうといいでしょう。

コミュニケーション研修

英語力強化にともない、円滑にビジネスを進めるためにコミュニケーション研修も必要です。
ノウハウがあれば自社でおこなってもいいですが、なければ専門家に依頼して研修をおこなってもらうことも可能です。

リーダーシップ研修

海外レベルで活躍するためには、人をまとめられるリーダーシップも求められます。
日本人として率先してリーダーシップを発揮し、ビジネスを進めていくくらいの勢いとマネジメントがあれば心強い人材になります。

グローバルビジネス研修

グローバルビジネス研修も必須です。
世界経済の現状や貿易、仕組みや制度などを研究して学ぶことで、世界に通用する人材を育成します。
目まぐるしく変化する国際経済の把握や日本とは異なるビジネスに対する見識を得ることで、より世界で活躍できるようになるでしょう。

グローバル人材育成の課題

グローバル人材育成には、いくつか課題があるので解説します。

グローバル人材の不足

一番手っ取り早いのは、グローバル人材を確保することです。
ですが、少子高齢化にともない若い世代の人材確保が、どんどん難しくなっていきます。
育成するよりも時間とコストが削減される一方で、現状ではグローバル人材の絶対数が少ないことも課題として挙げられます。
さらに、世界でも通用するレベルの優秀な人材には選択肢が多く、採用したい企業も多いため確保しづらいかもしれません。
採用の際には、自社がライバル企業などよりも有利であることをアピールしていきましょう。

人材育成のコスト・時間

グローバル人材が確保できなければ、自社で育成していくしかありません。
社員のレベルにもよりますが、グローバル人材を育てるにはコストや時間が、どうしても多くなりがちです。
ですが、コストと時間をかけて学んでくれば社員は、グローバル人材として大きな資産になります。
将来的な利益を考えれば、必要経費だという認識を持つことが大切です。

社員へのグローバル化浸透

グローバル人材を育てるためには、社員自体の意識が高くなければ、育成しても思った成果は得られないでしょう。
意識を高めるためには、異文化への理解を促したり、各種研修でグローバル化に向けて学ばせたりすることで、浸透させる必要があります。
グローバル化が浸透していれば、違和感なくスムーズに学ぶことができて成果を出しやすくなります。

グローバル人材を目指して可能性を広げよう

地球儀を小脇に抱えている人

グローバル人材は、海外でも活躍できる人材です。
人口減少問題や少子高齢化問題により、日本国内だけでビジネスを展開するのは、将来的に見てリスクになる可能性があります。
そのため、グローバル人材を育成・確保することで、ビジネスを海外にまで展開して拡大することが可能になったり、日本で製造するよりもコストを削減できるなどのメリットがあります。
スキルに関しては、日本で求められる能力以外にも、語学力をはじめとしてコミュニケーション能力や異文化を理解する柔軟性など、グローバルに活躍するからこそのスキルが求められます。
育成するには、企業で各種研修や異文化体験などを実施して、グローバル化の浸透とスキルアップに力をいれていきましょう。
まだまだ課題もありますが、今後の日本において生き残っていくためにも、グローバル人材を確保するのは大きな強みになるでしょう。

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