ダイレクトリクルーティングとは?メリットやリファラルとの違いなど解説filterダイレクトリクルーティングとは?メリットやリファラルとの違いなど解説

ダイレクトリクルーティングとは?メリットやリファラルとの違いなど解説

「ダイレクトリクルーティングを実施したい。」
「メリットやデメリットはどうなんだろう?」
「自社が向いているのかや成功させるポイントも知りたい」
こんな悩みを持つ方向けに、ダイレクトリクルーティングについてまとめています。

当記事では、ダイレクトリクルーティングの基本から、スカウトやリファラルとの違い、市場規模、メリット・デメリット、向いている企業、コツなどを解説しています。
ダイレクトリクルーティングは、採用力をアップさせたい企業にとってはプラスになりますので、ぜひ参考にしてみてください。

ダイレクトリクルーティングとは?

話し合いをしている2人の男性

ダイレクトリクルーティングは「Direct(直接)Recruiting(採用)」といった意味合いがある和製英語で、企業から直接アプローチして採用活動する手法です。
近年、日本でも採用されている手法で、海外では「Direct Sourcing(ダイレクトソーシング)」と呼ばれています。
通常は自社メディアでの募集・求人広告・人材紹介サービスなどを活用しながら、人材確保をすることが多い「待ちの手法」です。
ですが、第三者を介することによるコスト増加や、ミスマッチなどの問題が発生することもあります。
そんな時に「攻めの手法」であるダイレクトリクルーティングを活用することで、問題解決できることがあります。
企業にとって人材は、事業の存続・成長させるために重要なファクターですから、採用手法の選択肢を増やすことはメリットと言えます。

スカウトやリファラル採用との違い

スカウト採用もリファラル採用も、ダイレクトリクルーティング1つです。
スカウトは企業が望む人材を採用担当がスカウトする手法ですし、リファラル採用は社員が知人や転職希望者などにアプローチする手法です。
ただし、それぞれの採用手段や流れ、サポート体制などは微妙に異なる部分があります。

ダイレクトリクルーティングが広まる背景

近年、ダイレクトリクルーティングが広まっている背景には「人材不足による人材確保の難しさ」が影響しています。
日本の「生産年齢人口(15歳~65歳未満の労働可能な人口)」は1990年代がピークとされており、以降は減少傾向となっているからです。
少子高齢化の影響もあり、働ける人口の割合が減少しているため、人材が不足している企業からすれば深刻な問題です。
そんな中で、より優秀な人材を確保するためには従来の「待ち」ではなく「攻め」の手法である、ダイレクトリクルーティングを積極的におこなうことが必要不可欠です。

さらに、ウィズコロナによって転職セミナーなどの大規模なイベントが中止・延期となり、企業にとっては人材採用の機会が減りました。
一方で、オンライン採用やダイレクトリクルーティングの機会が増えました。
優秀な人材を求めて、各社が積極的な採用活動をおこなっているため、ダイレクトリクルーティングが広まってきました。

ダイレクトリクルーティングの市場規模

2019年時点では、株式会社マイナビが発表したデータによると「採用活動をおこなっている企業の約3%がダイレクトリクルーティングを実施」していとのことです。
ただし、ウィズコロナである2020~2021年現在では「市場規模がさらに拡大している」という調査結果を、矢野経済研究所が出しています。

ダイレクトリクルーティングのメリット

ダイレクトリクルーティングには、いくつかのメリットがありますので解説します。

転職潜在層にもアピールできる

従来の求人広告や人材紹介サービスでは、転職意識のある人材からのアクションを待つことになります。
ですが、現在は就業していても将来的に転職を検討している人材など、転職潜在層へのアピールには不十分な手法でした。
ダイレクトリクルーティングであれあば、企業が転職潜在層へもダイレクトにアクションを起こすことができます。人材不足が叫ばれている中で、将来的にでも転職意識を持つ方に対する人材確保の可能性を高めることは重要です。
もちろん、すぐに転職したいという層にもアクションを起こせるため、採用する側としては選択肢と人材確保の可能性が、より広げられるというメリットがあります。

採用コスト削減の可能性がある

紙幣と硬貨とボールペン

求人広告では、掲載期間2~3週間で最低でも20~30万円ほど必要になります。
もちろん、これ以上の期間延長や広告サイズをアップすれば、さらに費用が必要になります。
人材採用サービスを利用する場合、採用者の年収約30%(年収400万円なら120万円)ほどが相場となっています。
ダイレクトリクルーティングでは、データベースやシステム利用料で月額10~30万円、成功報酬を合わせても1人あたり30~60万円ほどとなります。
金額だけ見れば求人広告がコストを抑えられる可能性はありますが、広告を出しても人数が集まらなければ1人あたりのコストが増えていきます。

自社にマッチした採用ができる

ダイレクトリクルーティングでは、企業が自社にマッチするであろう人材をデータベースから選定することができます。
求人広告や人材紹介サービスを活用する場合、文面や担当者に必要な人材の条件を記載したり伝えても、どこかでミスマッチが起こる可能性があります。
ダイレクトリクルーティングは、自社で直接アピールすることができるため、第三者を介していないだけミスマッチが起きづらくなるでしょう。
その結果、コストを抑えながらも自社にマッチした人材を確保しやすくなります。
採用率を高めるためには、採用担当者が「自社が必要とする人材の条件」をしっかり把握しておくことが肝心です。

採用力が高まる

求人広告や人材採用サービスを活用すると、採用に関する手間や時間を削減することができます。
その反面、自社での採用ノウハウを蓄積することが難しくなります。
特に中小企業でコストがかけられない場合、選択肢の1つとしてダイレクトリクルーティングのノウハウと経験を蓄積しておくことは、自社の採用力アップに貢献してくれます。
ウィズコロナのようなイレギュラーな時期が続くと、必要だとはいえコストがかけられない状態です。
こういった時期こそ、自社の採用力が高いと人材確保が低コストでおこないやすくなるでしょう。
自社の状況が好転して、コストがかけられるようになれば、ダイレクトリクルーティングと併用して、他の手法も同時進行していくということも可能です。

ダイレクトリクルーティングのデメリット

ダイレクトリクルーティングには、デメリットもありますので解説します。

採用担当者の負担が増える

頭を抱える男性

従来の採用作業に加えて、ダイレクトリクルーティングの作業負担が増えます。
データベースから候補者を選定し、候補者に送るスカウトメールの作成、作成したメールの送付、返信対応、応募者の管理や面接日時調整などの採用活動全般をおこなわなければいけません。
特にスカウトメールをメインにアプローチしている場合は、送付するメール内容が応募率に大きく左右するため、じっくり時間をかけて作成する必要があります。
一朝一夕で応募率の高い内容を作成することは難しいため、普段の業務をこなしながらも改善していく作業も必要になります。

採用までに時間がかかる

転職潜在層をメインにアプローチする場合、採用までに時間がかかる場合があります。
優秀な人材ほど、すでに企業で活躍している可能性が高く、現状で転職を検討していない可能性が高いからです。
そういった転職潜在層に向けてアプローチするため時間が必要です。
特に、ダイレクトリクルーティングを初めて実施する企業には、ノウハウが蓄積されていないこともあり、計画的に実施しないと効率よく採用活動ができません。
ですから、初めて実施する際には採用までのフローに余裕を持たせて、時間がかかることを前提とした採用活動をおこなうといいでしょう。

大量採用には不向き

自社にマッチする人材を選定しながら探し、1人1人に対して細かくアプローチしていくため、一度の大量採用には不向きと言えます。
大量採用する際には、求人広告や人材紹介サービスを活用するほうが、より多くの方に対してアピールできるため効率がいいでしょう。
ダイレクトリクルーティングで多くの人材を採用しようとすれば、採用担当者の負担が増えることになり、結果的に非効率になってしまう可能性があります。
人材不足な上に業務量が増えてしまっては本末転倒です。
自社にマッチする人材を見つけて採用することが目的ですから、じっくり1人1人丁寧な採用活動を意識しましょう。

ダイレクトリクルーティングに向いている企業

ダイレクトリクルーティングを導入すべき企業を解説します。

採用活動が滞っている企業

求人広告や人材紹介サービスを活用してはいるものの、なかなか自社にマッチした人材を確保できていない企業は導入を検討してみましょう。
第三者を介しての採用活動は、採用担当者の負担が減るため導入している企業は多いです。
採用活動に対する負担や採用までの時間が増えますが、採用率をアップさせられる可能性が高くなります。

スタートアップやベンチャー企業

立ち上げて間もないスタートアップやベンチャー企業では、優秀な人材を求めていますが、優秀な人材ほど採用コストが高いのがネックです。
より自社にマッチした優秀な人材を採用するためには、求人広告や人材紹介サービス以外にも、低コストでピンポイントにアピールできるダイレクトリクルーティングもオススメです。

ダイレクトリクルーティングのコツ

ダイレクトリクルーティングを成功させるコツを解説します。

アピールポイントを作りスカウトする

新卒や転職潜在層が自社に興味を持ってもらえるよう、自社の魅力をアピールできるようにしておく必要があります。
自社のビジョン・事業内容・自社に入社するメリットなどを明確にしておきましょう。
さらに、どんな人材を求めているのかや、相手の経歴やスキルから自社でどのように活躍できるのかという未来なども提示するのがベストです。
こうしたアピールポイントをまとめて作り、スカウトメールを作成して送付しましょう。
件名は「~の方向け」「職種名」「〇〇人限定」「月収〇〇万円可能」などのターゲットを記載し、興味を引くキャッチコピーが効果的です。

自社メディアやSNSでの発信

SNSのアイコンが並んだスマートフォン

アピールポイントを作ったら、自社メディアやSNSで発信することが大切です。
より効果的に発信するには、自社のメディアやSNSだけではなく、社員個人のメディアやSNSでも発信してもらいましょう。
発信する際には、できる限り丁寧で分かりやすい文面や内容を心がけます。
さらに、実際に働いている様子も発信し、候補者の不安も払拭してもらえると効果的です。
社員や社内の様子などを含め目に見えない部分こそ、積極的にアピールしたい部分です。

仕組みづくり

ダイレクトリクルーティングを導入するにあたり、採用担当者が一連のフローに不慣れな場合は、多くの時間と労力が費強になります。
結果的に、採用までの時間が長くなってしまい採用の機会を逃してしまう可能性があります。
そして、これらの業務をできる限り新たな採用担当者でも実施しやすいような「仕組みづくり」が大切です。
採用担当者を増やすという選択肢もありますが、実施しやすいようにマニュアル化されていれば、少人数でも効率よく進めることができるでしょう。

長期目線で改善していく

ダイレクトリクルーティングは、転職潜在層へアプローチする場合、即効性のある採用手法ではありません。
そして、初めて導入するのであればノウハウが蓄積されていないため、手探りで実施するために効果が出るまでは時間が必要です。
結果が出るまでには長期目線で、じっくり経験と実績を積み上げていくほかありません。
状況に応じてスカウトメールの内容を変更したり、発信するメディアを増やしたり、応募者の反応を見たりして改善していく姿勢が求められます。

ダイレクトリクルーティングを活用して採用に活かそう

チェックメイトの瞬間

ダイレクトリクルーティングは、企業が求めている人材をデータベースから選定し、アクションを起こして採用活動する「攻め」の手法です。
転職潜在層へアプローチできるほか、コスト面で抑えられるなどのメリットがあります。
一方で、採用担当者の負担が増えたり、不慣れだと効果が出るまでに時間を必要とする、などのデメリットもあります。
こうしたメリット・デメリットを理解した上で、自社の状況や採用率から必要な手法かどうかを判断してください。
候補者が自社に興味を持ってもらえるよう、アピールポイントを整理して様々なメディアで発信し、長期目線で効果を見極め改善していきましょう。
当記事で、ダイレクトリクルーティングについて、理解を深めて頂けたのであれば幸いです。

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