【フリーレント】なぜ無料?デメリット(事故物件)や初期費用など解説!filter【フリーレント】なぜ無料?デメリット(事故物件)や初期費用など解説!

【フリーレント】なぜ無料?デメリット(事故物件)や初期費用など解説!

「フリーレント物件を検討しているけど、具体的にどんな物件なのか知りたい。」
「引っ越そうと思っているけど、初期費用を少しでも安く抑えたい。」
こんな悩みを持つ方向けに、フリーレント物件についてまとめています。

当記事では、フリーレント物件の基本から、メリット・デメリット、必要な初期費用、交渉のポイント、注意点まで解説しています。
フリーレント物件の有効活用は、貸主(物件オーナーや管理会社)にとっても借主にとってもメリットがあるので、ぜひ参考にしてみてください。

フリーレント物件とは?

机と椅子が並べられた窓際のオフィス

フリーレント物件とは、貸主が決めた一定期間の家賃を「無料」にしている物件のことです。
無料期間は1~6ヶ月間ほどです。
家賃を無料にすることは、借主にとってはメリットですが、貸主にとってはデメリットになるのでは?と思われるかもしれません。
ですが、実は貸主にとってもメリットがあります。

なぜ無料?仕組みは?

仕組みという仕組みはないのですが、単純に契約をしやすくして空室リスクを下げるために、一定期間無料にします。
なかなか埋まらない部屋を抱えている貸主もいれば、少しでも費用を抑えて安く借りたいという借主もいます。
このような需要がマッチすれば、双方にとってプラスです。他にも様々なメリットやデメリットがあります。

フリーレント物件のメリット

フリーレント物件には、様々なメリットがありますので解説します。

空室を埋めやすくなる(貸主)

不動産会社への営業はもちろん、広告などをおこなっても埋まらない空室であれば、フリーレントを活用することで解決する可能性があります。
貸主にとって大きなリスクと言えば「空室リスク」です。
空室が多くなるほど家賃収入が減ってしまい、家賃収入に直接大きな影響が出ます。
家賃収入が減少すれば、銀行から借入れているローンの支払いに影響したり、大規模な修繕が発生しても費用を捻出しづらくなってしまいます。

家賃を下げる方法もありますが、「家賃を下げずにフリーレント物件にする」という方法もあります。
特定の部屋だけ家賃を減らすことは、同物件に住んでいる方からクレームが来る可能性があります。
そして、一旦下げてしまった家賃は、何らかの付加価値を付けなければ上げるのが難しいでしょう。
家賃を下げない理由は下記で解説します。

物件の資産価値を維持できる(貸主)

大量の紙幣

家賃を下げずにフリーレントを活用することで、物件の資産価値を維持することができます。
家賃を下げること、家賃収入が減るだけではなく、売却時の物件価格にも影響します。
表面利回りという数字があり、これは物件にどれくらいの収益性があるのかを示す数字です。
この数字を算出するには「(年間家賃収入÷物件価格)×100」という計算式になり、家賃を下げると表面利回り低下(物件の資産価値が低下)します。
そこで、フリーレントを活用することで、家賃を下げずに空室リスクを改善しやすくなります。
無料期間はあるものの家賃を下げずに済みますので、将来的に売却も検討しているのであれば資産価値には影響しない方法になります。

初期費用を抑えられる(借主)

引っ越しには、引越し業者の費用、家具家電の購入費用、数ヶ月分の家賃や敷金礼金など発生しますが、フリーレントであれば家賃を抑えることができます。
通常であれば発生するはずの家賃が1~6ヶ月ほど無料になりますので、初期費用として支払う額が少なくなります。
初期費用が抑えられることで、浮いた分の費用を他の家具家電や、生活費として残しておくことができるのは魅力的です。

二重家賃が発生しない(借主)

フリーレントの活用により、新居への住み替えの際に発生する可能性がある「二重家賃」問題を解消できます。
賃貸物件に住んでいる場合、旧居から新居へ住み替える際に発生する契約期間の関係で、旧居の家賃と新居の家賃が重複してしまう二重家賃が発生する可能性があります。
通常は旧居の解約予告をしてから1ヶ月後に解除されますが、多くの場合は1ヶ月分の家賃を支払えば解除されます。
ですが、その期間に新居の入居審査に通り契約が成立していれば、新居の方でも家賃支払いが発生します。
ですが、フリーレントであれば数ヶ月分の家賃が無料になるため、こうした旧居から新居への住み替えの際に発生する可能性がある二重家賃問題を解決できます。

フリーレント物件のデメリット

フリーレント物件には、デメリットもありますので解説します。

住みづらい環境の可能性あり

工場の煙突から大量の汚染物質が垂れ流されている

フリーレント物件は、空室リスクを下げるための対策として貸主都合でおこなうものです。
つまり、空室でなかなか埋まらないということは、何かしらの原因があるかのうせいがあります。
例えば、駅からかなり遠い、周辺に嫌悪施設(一般的に良いイメージを持たれない施設。ゴミ焼却場・火葬場・下水処理場・刑務所など)がある、気軽に買い物できる施設が近くにないなどです。
主に、立地問題が大きく影響していることが多いですが、中には物件自体の築年数の古さや、部屋の設備などの問題でも空室は生まれます。
問題ない物件であれば空室になりづらいため、こうした部分は内見の際にしっかり確認しておかなければいけません。

違約金が発生する可能性あり

フリーレントを導入すると空室リスクを下げられますが、無料期間中に退去されてしまうリスクがあります。
フリーレント期間が3ヶ月だとした場合、3ヶ月以内に退去されてしまっては、その間の家賃収入は入ってきません。
貸主にとって大きなリスクは、家賃収入が減少することですから、フリーレントを活用しても意味がなくなってしまいます。
ですから、貸主は契約に「一定期間以内(例:1年以内など)で退去する場合は、違約金としてフリーレント期間分の家賃を借主が支払う」などを記載するケースが多いです。
フリーレント期間は物件ごとのバラバラですから、事前に契約書をしっかり確認したり、聞いてみたりして把握しておきましょう。

事故物件の可能性もある

住みづらい環境にも入ってくるかもしれませんが、いわゆる事故物件は空室リスクが高い物件になります。
事故物件だとしても、もちろん他の物件同様に原状回復してるため日常生活には問題ありません。
ですが、事故物件に対するイメージは強力で、多くの人にとっては払拭しきれないため、空室リスクが高くなります。
この場合も、家賃を安くするケースがほとんどですが、フリーレントを活用して事故物件でも気にならない借主を募集することも可能です。
貸主にとっては事故物件になることで、フリーレントを活用しても資産価値は下がってしまうことになりますが、それなら空室リスクを下げられるなら活用したほうが入居につながるでしょう。
ですから、こういった事故物件の可能性もあるということを理解して、事前によく話を聞いておくことが大切です。

フリーレント物件を借りる際の初期費用

フリーレント物件は、家賃が数ヶ月分無料になるため初期費用を抑えられるのが魅力的ですが、その他の仲介手数料や敷金礼金などの費用は発生します。
特に、フリーレント物件は数カ月分の家賃が無料になることから、敷金礼金どちらも0円という物件は少ないです。
ですから、フリーレント物件の初期費用は、通常通りに発生する仲介手数料や敷金礼金、引っ越し費用、家具家電や生活雑貨の購入費用、家賃です。
さらに言えば、フリーレント期間中の共益費・管理費は対象外となりますので、これらの費用も含まれます。
契約内容によって初期費用が変動するので、事前にしっかり確認しておきましょう。

フリーレント交渉のポイント

フリーレントは取り扱っていない物件でも、交渉次第で対象物件にしてもらえる可能性があります。
フリーレント物件にしてもらうための、交渉ポイントを解説します。

閑散期に交渉する

賃貸物件の需要が高くなる期間は、一般的には1月~3月(就職や進学などで、引っ越し需要が高まるため)と、9月~10月(秋は人事異動などの転勤があるため)となります。
これ以外は基本的に閑散期と呼ばれ、特に4月~8月(引っ越しシーズンが落ち着く)や、11月~12月(年末にかけても閑散期になる)が交渉のチャンスです。
空室が長く続いている物件を探すと同時に、こうした閑散期も意識して交渉することで、フリーレントに応じてくれる可能性が高くなります。
ただし、その際には貸主の条件をよく確認して、条件が受け入れられる範囲であれば契約を検討しましょう。

契約の意思を早めに伝える

契約書にサインしている

上記の閑散期や空室期間の長い物件であれば、契約する意思を早期に伝えることでフリーレントに応じてくれる可能性があります。
閑散期は営業成績が下がってしまいますし、少しでも空室リスクを下げたいという思いがあります。
ですから、内見して良いと思ったら契約の条件としてフリーレントの交渉をしてみましょう。
通常の時期や状況よりも、交渉が成功する確率が上がるかもしれません。

不人気な物件を選ぶ

一般的に人気物件は、空室リスクが少ないためフリーレント物件にはなりません。
ですが、不人気の物件であればフリーレントに応じてくれるかもしれません。
デメリットの部分でも解説しましたが、駅からのアクセスが悪かったり、周辺に嫌悪施設があったり、物件の築年数が古かったりすることで物件の人気は下がります。
ですが、こうしたデメリットは、人によってはデメリットにならないかもしれません。
駅から遠くても車通勤であれば問題ないですし、築年数よりも費用が抑えられるならOKという方もいます。
嫌悪施設に関しても、気にならない方であれば初期費用が抑えられることの方がデメリットを上回るでしょう。
ですから、こうした不人気物件のデメリットよりも、フリーレントによるメリットが魅力に感じるなら、早く空室を埋めたい貸主に交渉することで成功する可能性が高くなります。

フリーレント物件を選ぶ注意点

フリーレント物件を選ぶ際には、以下の注意点を意識しましょう。

家賃支払時期

フリーレントのメリットとして、数ヶ月間の家賃が無料になることが挙げられますが、契約内容によって初回の家賃支払時期は物件により異なります。
初回家賃をフリーレント期間終了後に支払うという契約もあれば、フリーレント期間開始時に支払うという契約になっている場合があります。
せっかく初期費用を抑えるためにフリーレント物件を選択したのに、初回から家賃が発生する可能性もあるため、事前に契約内容をしっかり確認しておきましょう。

新居入居時期

旧居に住んでおり、気に入った物件がある場合には、事前に契約しておくという方法もあります。ですが、新居に入居するまでに旧居の家賃支払いも発生します。
この時に、フリーレントで入居までの期間を無料にできれば、二重支払いを避けることができます。
ここで注意なのが、契約月と入居月が異なる点です。
例えば、新居の契約月が4月で旧居の退去して入居するのが5月であれば、次の更新月は4月です。
「入居=更新月」と勘違いして5月だと思っていると、更新費用などが発生しますので注意です。

家賃設定

フリーレントは数ヶ月分の家賃が無料になる一方で、無料期間後の家賃が周辺相場よりも高くなっている場合があります。
貸主としては空室リスクを下げたい気持ちはあれど、無料期間分の家賃に対する穴埋めをする必要があります。
一定期間内に退去すると違約金が発生する契約の場合もありますが、それでもリスクがないとは言い切れません。
ですから、周辺相場よりも高くしていることもあるので、周辺の家賃相場も確認して許容できる範囲なのかを見極めましょう。

フリーレントを有効活用しよう

平行に保たれた天秤

フリーレント物件は、貸主にとっては「空室リスクを下げられる」「資産価値を下げずに済む」、借主にとっては「初期費用を安く抑えられる」「二重家賃を防げる」といったメリットがあります。
ですが、契約内容によっては「初回家賃をフリーレント開始月に支払う」「違約金が発生する可能性がある」「住みづらい物件かもしれない」などのデメリットもあります。
こうしたメリットやデメリットを天秤にかけて、自身で何を優先するのかを考えて契約や交渉をしてみてください。
また、フリーレントを付けていない貸主で、空室がどうしても埋まらない悩みを抱えているのであれば、一度は検討する価値はあるでしょう。
当記事で、フリーレントに関して理解を深めて頂き、有効活用のお役に立てれば幸いです。

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