BPOとは?簡単にメリット・デメリットや導入ポイントを解説!filterBPOとは?簡単にメリット・デメリットや導入ポイントを解説!

BPOとは?簡単にメリット・デメリットや導入ポイントを解説!

当記事では、BPOの基礎知識をはじめ、注目される背景、BPO活用できる業務、メリット・デメリット、導入方法、選定ポイントまで解説しています。BPOを有効活用することで、業務効率化などのメリットが得られますので、参考にしてみてください。

BPOとは?

BPOとは「Business Process Outsourcing(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)」のことで、自社でおこなっている特定の業務を、外部の専門業者へ委託することです。委託される業務の例として、営業・コールセンター・経理・人事・総務など、直接部門業務(自社の売上に直結する部門)や間接部門業務(直接部門を支援する間接的な部門)を委託しているケースがあります。この中でも特に、間接部門業務を委託している企業が多いです。

BPOとは?

BPOが注目される背景

BPOが注目されている背景として、昨今の人材不足が大きく影響しています。日本では少子高齢化が進んでおり、生産年齢人口(15~65歳未満で生産活動できる人口)が減少傾向にあります。しかも、この生産年齢人口は増加の見込みが薄いという意見もあり、今後より一層の人材不足に陥る可能性があるでしょう。企業としては少ない人材の中で、いかに業務効率化を進め、業績を維持またはアップさせられるかが課題です。さらに、優秀な人材を確保したり、0から研修などの教育は大きなコストになります。必要経費とはいえ、少しでも削減できるならしたい部分です。そして、業種によってはウィズコロナによる業績不振がダメージとなり、より業務効率化やコスト削減が求められる時代になりました。BPOはこうした問題を、解決してくれる方法として注目を集めています。

BPOとアウトソーシングの違い

一般的には「BPO」と「アウトソーシング」を、明確に分けて呼称するかは人によります。業務内容を見れば、BPOとアウトソーシングの違いは「任せる業務範囲」「委託期間」という部分が異なります。アウトソーシングは、企業がすでに確立している『業務の一部』であり、期間は継続的ではなく一時的に委託することが多いです。一方でBPOは、企業が確立しきれていない業務の設計から運営まで『業務の全て』であり、期間は一時的ではなく継続的に委託することが多いです。ですから、上記の内容を参考して頂き、自社にとって必要なのは、どちらなのかを理解しておきましょう。

BPO活用できる業務例

BPOを活用できる業務には、どのようなものがあるのかを解説します。

営業・販売

自社のコア業務で、営業や販売まで業務に手をかけられない企業にとっては、営業から販売までを代行してくれるBPOサービスは必須と言えます。新規顧客獲得から既存顧客フォロー、営業や販売員の選定や研修、エリアマネジメント、営業活動報告など委託できます。

秘書

忙しい経営者や役員にとって心強い味方となるのが、秘書代行をしてくれるBPOサービスです。特に、起業して間もないため1人で複数の業務を対応している経営者にとっては、人件費を抑えつつ「スケジュール管理」や「電話対応」などの雑務を秘書に代行してもらえるのは大きなメリットでしょう。

経理

普段は人手が足りている経理業務も、時期によっては大量の業務をこなさなければいけない業種もあります。そんな時には、BPOサービスを活用することで適切に業務をこなすことができ、担当社員の負担を減らしながら効率化が実現できます。

総務

窓口業務、消耗品管理業務、セキュリティ業務など、総務全般の仕事も委託できます。経営資源を割くことなくコア業務に専念できると同時に、新たに社員を雇うよりもコストを抑えられます。

人事・労務

従業員数が増えるほど管理が大変になり、給与計算や入退社などの手続き、従業員データや年金・保険の管理など、業務の負担が大きくなります。労務に関する一連の業務を委託できるため、さらなる業務効率化に期待できます。

ヘルプデスク

専門性の高い問い合わせ対応や問い合わせ自体が多い場合、対応できる体制が確立していなければ、ユーザーの満足度が低下してしまう恐れがあります。現状で対応しきれていないのであれば、業務効率化や生産性低下を防ぐ意味でも、業務を委託するという選択を視野に入れましょう。

フルフィルメント

ECサイト運営をしており、商品開発や仕入れなどに専念したい場合は、フルフィルメントサービスが有効です。自社でしか対応できないコア業務以外の業務を、一貫して委託できます。顧客管理や問い合わせ対応、受注や発注、出荷手続きや返品対応などを、安定的に稼働させることが可能です。

マーケティング

自社商品の販売をおこなう際に、マーケティングノウハウがなければ、マーケティングの専門家に委託するのもいいでしょう。マーケティングは専門性が高く売上に直結するため、できる限り実績のある専門家に委託するのが効果的です。

コンテンツ制作

コア業務で手が回らない中でも、自社サイトなどのメディアに投入するコンテンツを制作できない場合は、コンテンツ制作専門業者に委託しましょう。メディアへのコンテンツ制作もまた、専門性が高く売上につながる重要な業務なので、専門家に依頼するのがいいでしょう。

BPOのメリット

BPOには様々なメリットが存在ますので、それぞれ解説します。

コア業務に集中できる

コア業務に集中できる

時間と労力をコア業務に費やすことができます。業務は「他者に任せられる=ノンコア業務」と、「自分でしかおこなえない=コア業務」の2種類に分けることができます。人材や資金が豊富な企業であれば、社内でコア業務とノンコア業務を担当者がおこないます。ですが、人材や資金不足の企業はコア業務とノンコア業務を、少人数で振り分けて担当せざるおえません。この状況では、コア業務に集中したくても集中できず、企業の成長を妨げる要因になります。こうしたノンコア業務をBPOサービスに委託することで、ノンコア業務に時間を割くことなくコア業務に専念できるメリットがあります。

業務効率化につながる

BPOサービスは「その職種の専門家」ですので、委託することで大幅な業務効率化につながります。自社で蓄積されていない業務を、0から構築してノウハウを蓄積するには、膨大な時間と手間が必要になるでしょう。余裕がある企業であれば可能ですが、全ての企業がそうではありません。特に、中小企業では限られた経営資源の中で、いかに業務効率化を図れるかが成長の鍵になります。ですから、専門家に委託することで業務効率化が図れるとともに、人手不足の世の中で経営資源を最大限に活用できるようになるため、企業の成長に直結させることができます。

コスト削減につながる

企業にとって大きなコストである「人件費」を、BPOサービスの活用で抑えることができます。人材育成には採用から教育、保険や給与まで、様々なコストが必要になります。これらは、企業にとって必要経費ではあるものの、大きなコストになっているのも事実です。さらに、せっかく教育しても何らの理由で退社してしまうリスクもあり、ランニングコストはかかるものの不安定だと言えるでしょう。BPOサービスに委託することで、自社の状況に合わせて調整することが可能なため、ランニングコストの削減につながります。

BPOのデメリット

BPOには様々なデメリットも存在ますので、それぞれ解説します。

業務ノウハウをが蓄積されない

業務を委託するということは、社内で業務をおこなう必要がなくなるため、その業務に関するノウハウが蓄積されません。将来的に何らかの理由により、業務を社内に戻すことになったとしても時間とコストをかけて、ノウハウを構築していく必要があります。ですから、BPOサービスに委託する業務は慎重に選定しましょう。ただし、多くの企業では他者でもおこなえるノンコア業務を委託する場合が多いため、それほど問題にはならないでしょう。状況次第ではコア業務の一部を委託する場合は、現在の自社の状況を把握しておき適切に選定していきましょう。

セキュリティに不安が残る可能性あり

セキュリティに不安が残る可能性あり

外部に委託するということは、自社では業務の全てに対して監視や管理ができるわけではありません。それは、顧客情報などの企業にとって大切な機密情報にも言えます。自社で完全に管理しきれない以上、情報漏えいリスクは常につきまとうでしょう。BPOサービスを運営している企業は様々なですから、事前にセキュリティ対策が万全かどうかを見極めた上で検討したほうが無難です。あとは評判や事例などをインターネットで検索し、実績があるのかどうかも確認しておくと、よりいいでしょう。

社員の負担・反発リスク

BPOサービスを導入する際には、組織的に大きな改変がおこなわれます。そして業務を委託するにあたり、業務量が減ることによる人材削減が発生することもあるでしょう。組織改変や人材削減は、社員にとって大きな負担となったり、反発が来ることも考慮して置く必要があります。こうした負担や反発を軽減させるためには、明確な導入目的やBPOに関する理解と周知を徹底しましょう。理解を得ることができれば、0とまではいかないものの協力してくれやすくなります。

BPOの導入方法

BPOを導入するには、どんな流れでおこなうのかを解説します。

現状把握と導入決定

まずは現状で、自社がどんな課題を抱えているのかを洗い出します。BPOサービスが必要なのかを判断する必要があります。自社でおこなったほうが業務効率が上がるのか、コストが抑えられるのかなどです。必要な業務とはいえ、人材不足やコストを考えているなら、BPOサービスの導入決定を検討します。

BPO業務とサービス選定

現状を把握し導入決定後は、BPOサービスを活用すべき業務を洗い出しましょう。多くの企業は、他者でも可能なノンコア業務に対しBPOサービスを導入します。基本的には「バックオフィス系」の業務が適していますが、営業やマーケティングなど売上に直結する業務に導入している企業もあります。業務の選定が終わったら、BPOサービスの選定です。委託予定の業務に対応しているかやセキュリティ対策など、事前に確認しておきましょう。

BPO導入の経過観察と改善

BPOを導入したら、しばらく経過を観察しましょう。BPOサービスの担当者との連絡を密に取りながら、現在どのように業務を進めていて、どのような成果が出ているのかを把握してください。その結果、改善点が出れば共有しながら対応してもらったり、内容や方向性などのすり合わせをおこないましょう。お互いの認識がズレたままでは、業務効率化やコスト削減が実現できなくなります。

BPOサービス選定ポイント

BPOサービスを選定する際に、意識しておきたいポイントを解説します。

BPOしたい業務に対応しているか

自社がBPOを導入したい業務が、対応できるか確認してください。バックオフィス系であれば、多くのBPOサービスが対応できるでしょう。バックオフィス系以外に関しては「業務名+BPO」などで検索し、対応業者を検索してください。

セキュリティ対策は万全か

外部に委託する際の不安材料は、セキュリティ対策が万全かどうかです。特に気密性の高い情報や顧客情報を扱う業務では、「ISMS認証(国際レベルの規格を満たし情報資産を保護できる)」や「プライバシーマーク(個人情報に特化している)」を取得しているBPOサービスの運営会社を選定しましょう。

導入実績は豊富にあるか

導入実績も大切です。BPOサービスの運営会社の公式サイトを見て、実績があるかを確認します。特に自社と似たような事例を扱っていれば、導入後のイメージも付きやすいです。

自社の目的に合った価格か

BPOサービスによって価格はバラバラです。業務内容や期間、規模などで変わってくるはずですので、予算に合う価格かを見極めてください。複数のBPOサービスと比較するのが大切です。

BPOを有効活用して業務効率を上げよう

BPOを有効活用して業務効率を上げよう

BPOは特定の業務を丸ごと、BPOサービスに委託する方法です。コア業務に集中することができるだけではなく、新たに人材を確保して育成するなどのランニングコストなどの削減が可能になります。社内にノウハウが蓄積されないなどのデメリットもありますが、自社の現状をしっかりと把握して適切に導入すれば、恩恵を受けることができます。当記事でBPOについての理解が深まり、有効活用のお役に立てれば幸いです。

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