4つの事業フェーズとは?特徴やフェーズごとのポイントなどを徹底解説filter4つの事業フェーズとは?特徴やフェーズごとのポイントなどを徹底解説

4つの事業フェーズとは?特徴やフェーズごとのポイントなどを徹底解説

「事業を始めようと思ってるけど、どんな段階を経て大きくしていけばいいんだろう?4つの事業フェーズがあるみたいだから、具体的にどういう特徴があって、何に気を付ければいいのか知りたい。」という悩みを持つ方向けに、事業フェーズについてまとめています。

当記事では、事業フェーズの基本から、4つある事業フェーズと特徴、創業期・成長期・安定期・拡大期の課題やポイントなどを解説します。事業フェーズごとに事業計画や戦略を考えたり、解決策を講じることで、スムーズに事業を成長させることができますので、ぜひ参考にしてみてください。

事業フェーズとは?

事業フェーズとは、会社の成長段階を分けたものです。事業フェーズには主に「創業期・成長期・安定期・拡大期」という4つの段階があります。このように事業を始めてから会社がどう成長していくのか段階的に分けることで、それぞれの事業フェーズに合う事業計画や戦略に沿っていくことで、スムーズに事業を成長させやすくなります。

4つの事業フェーズの特徴

ここでは上記で触れた4つの事業フェーズ「創業期・成長期・安定期・拡大期」それぞれの、特徴を解説します。

創業期

創業期は、事業を0から1にする時期であり、会社の基礎を作るための時期でもあります。創業したばかりで社員数は10人以下の場合が多く、1人あたりの仕事量が多くなるでしょう。スタートさせたばかりの事業や会社には信用がないため、少ない人数で効率よく事業を進めて認知度アップと実績作りに集中する必要があります。コストをかけられないフェーズのため、人手が欲しくても創業期に必要な能力の高い人材はなかなか見つからず、人材の確保が難しい状況です。事業の安定性もないため、少ない人数で臨機応変な対応が求められます。イレギュラーな事態に陥った場合、当初の方向性がブレてしまう可能性があり、状況次第では事業内容の見直しが必要になることも。その際に、運転資金が追加で必要になることもあり、資金調達ができない場合は事業継続が難しいでしょう。当然のことながら、4つのフェーズの中で倒産する確率が一番高い時期であり、このフェーズをいかに乗り越えられるかが存続の鍵になります。

成長期

成長期は、創業期で作った1を10にしていく時期であり、創業期で形にした事業からの収益や認知度アップによる顧客が増えていく時期でもあります。売上がアップしてきている状況であるため、成長を促すために投資をして事業を拡大していく必要があります。資金調達もしやすくなり、より認知度アップのためにマーケティングにも資金を使えます。事業規模も大きくなっていくため仕事量が多くなる時期であり、より効率よく進めるためにも人材確保が重要になります。特に、創業期にはコスト面で獲得できなかった、優秀な人材を確保できるようになるでしょう。この成長期は重要な時期であり、このフェーズで獲得した人材は将来的に、自社を支える経営陣などの人材になる可能性が高いです。創業期よりは多少の余裕が生まれるものの、まだまだ不安定な時期です。今後の安定期に向けて、自社を支える人材確保、認知度アップによる新規顧客やリピーター獲得、実績作りによる信用度アップ、売上規模の拡大などやることは山積みでしょう。ここを乗り越えることで、今後の事業拡大や安定が見えてくるので踏ん張りどころです。

成長期

拡大期

拡大期は、安定期で得た知名度・実績・人材・顧客・利益などを元に、安定したメイン事業と新規事業を拡大させる時期です。安定期で安定させたとは言え、メイン事業だけでは衰退の可能性も十分に考えられます。ですから、安定させたからこそ、さらなる事業拡大に乗り出す必要があるでしょう。メイン事業を拡大させると同時に、関連する事業や別ジャンルの事業を展開することは、リスク分散につながります。これまでの積み重ねがあるため、自社で新規事業に着手することもできますが、既存の事業を買収することも可能でしょう。0から事業を立ち上げ、成長させようとすれば「時間・労力・コスト」が必要になります。資金的に余裕があるフェーズですから、先行投資という形で収益化されている事業を買収すれば、より事業を拡大することができます。こうして、総合的に事業の拡大と安定を繰り返すことで、企業として長期に渡り続いていくことになるでしょう。

事業フェーズごとの課題やポイント

創業期・成長期・安定期・拡大期という4つのフェーズごとに、それぞれの課題や乗り越えるためのポイントについて解説します。

創業期の課題やポイント

創業期の大きな課題は、いかにこのフェーズを乗り越えられるかという点です。起業してから1年以内の倒産率は、個人事業主が約40%で法人が約20%と言われています。個人よりも法人の方が倒産は少ないものの、5社起業して1社は倒産する可能性があるため法人でも油断できません。特に、売上がない状況での資金調達が大きな課題であり、これらをクリアできなければ倒産へのカウントダウンが始まります。さらに、優秀な人材を確保するにもコストがかけられないため、経営者が自ら人材を選定して引き入れるだけの能力が必要になるでしょう。資金調達に関しては、銀行からの融資は期待できないため手段が限られます。

とにかく、不安定な事業を早く認知してもらい売上をあげなければいけないため、スピード感と臨機応変さ、ビジョンを見据えてブレずに突き進められるかがポイントです。なにもかも不安定なフェーズであることから、イレギュラーな事態にもスピーディーに対応しなければいけません。このような状況でも臨機応変に対応できる、経験豊富な人材でなければ解決が遅れて事業拡大が遅れてしまうでしょう。経営者がいかに優秀な人材を創業時に引き入れられるかは、かなり重要になります。そして、売上アップのために、自社の認知度アップにも力を入れなければいけません。コストが大きくかけられないため、低コストでも可能なSNSやYouTubeなどの活用は必須と言えます。資金調達に関しては、信用も実績もないため銀行からは期待できず、国や地方自治体の創業支援金、エンジェル投資家、ベンチャーキャピタルであれば調達しやすいです。さらに、ピッチコンテンストへの参加も投資家とつながれるチャンスです。

成長期の課題やポイント

成長期の課題は、創業期同様に資金調達が多く、その他は優秀な人材の確保や売上や認知度アップのマーケティングがあります。成長期とはいえ、まだまだ事業に安定性はなく、限られた資金調達方法を模索していかなければいけません。創業期よりも認知度の向上や売上が上がり始めており、少しずつコストをかけられる時期ですから、一気に人材を増やして事業規模を拡大させたいところです。ですが、一気に大量採用しようと採用基準を緩和すれば、成長に必要不可欠となる優秀な人材の確保が難しくなります。そして、新規顧客獲得のため、リピーターを増やすためにマーティングも課題になります。自社のターゲット層へ的確にアプローチするために、プレスリリース、自社サイト、SNS、YouTubeなどの活用が必要です。

成長期のフェーズになると、資金調達は創業期よりもおこないやすくなります。創業期と同じように国や地方自治体の助成金や補助金をはじめ、エンジェル投資家やベンチャーキャピタルを中心に資金調達を考えてみましょう。実績や売上も出始めて、よりアピールできるようになります。こうした資金調達が成功すると、ニュースでも取り上げられるようになり知名度も上がっていくでしょう。資金調達先が大手や複数の場合、将来性を見込んだ優秀な人材からも注目され始め人材確保にもつながります。資金が潤ってこればマーケティングにも力を入れることができるため、新規顧客やリピーターの獲得による売上アップも期待できるでしょう。

安定期の課題やポイント

安定期

安定期になると、これまでネックだった資金調達の不安が減る一方で、これまで以上に事業を安定して継続させるための組織づくりや人材確保が課題となります。創業期や成長期では、人材の質が求められる割合が多いのに対し、安定期では質に加えて量も求められるようになります。安定したサービスや製品を提供するには、質の高い人材を多く採用して組織を作り上げていく必要があるからです。そして、これまでの成長期とは違い、安定した事業継続をおこなっていくには、安定期に合った事業計画や組織体制の見直しも重要になります。

質の高い人材を多く確保するには、これまでの実績や信用も大切ですが、多様性のある働き方を導入するのもポイントです。事業内容や職種によりますが、テレワークやフレックスタイム制など自由度の高い働き方は、現在の社会において魅力的に感じる方が多いです。特にウィズコロナでは、効果的なアピールポイントと言えるでしょう。こうした多様性のある働き方は、これまで何かしらの都合で働けなかった方や遠方の方にとっては選択肢が広がります。その中には優秀な人材も眠っている可能性があり、より多くの優秀な人材を確保できるようになるかもしれません。そして、安定させるための組織改革も重要です。成長期まで経営陣がメインで動いていた組織でも、徐々に権限を与える社員を増やしていき、経営陣がメインで動かなくても安定した経営がおこなえる環境を作ることもポイントです。

拡大期の課題やポイント

拡大期では、メイン事業を拡大させることはもちろんのこと、メイン事業以外の新規事業を展開し拡大していけるかも課題となります。メイン事業だけでも安定していれば、今後は拡大の見込みがあるかもしれません。ですが、将来的にもメイン事業がうまくいく保証はなく、ウィズコロナのようにイレギュラーな事態が起こった場合もあるでしょう。つまり、メイン事業以外の新規事業も並行して拡大させ、イレギュラーなリスクに強い企業を作り上げられるかが課題となります。

新規事業を拡大させるためには、時間をかけて0から事業を作り育てていくことも可能ですが、すでに収益化されている事業を買収する選択肢があります。資金的には十分な余裕がありますので、自社の発展に必要な部分を慎重に検討し、収益化されている事業を買収することで効率よく拡大させることができるでしょう。その他にもメリットがあり、経営を多角化することでリスク分散になりますし、状況次第で買収先社員を確保することもできます。新たな人材の確保やこうしたリスクに強い企業を作っていくためには、既存のものにとらわれることなく、時代の変化に合わせた新しい事業にもチャレンジしていく姿勢が大切です。ウィズコロナでは、イレギュラーな事態に対する臨機応変さや、既存のものにとらわれない柔軟さを持ち合わせている企業は、厳しい経済状況ながらも生き残っています。

事業フェーズを理解して状況に合った戦略を

戦略

事業フェーズには「創業期・成長期・安定期・拡大期」の4つがあり、それぞれに特徴や課題などがあります。特に、創業期は倒産率が高く、資金調達がうまくできるかどうかが鍵になります。そして、企業の基盤を作るために最も重要なフェーズだと言えるでしょう。成長期は引き続き資金調達と人材確保、マーケティングに力を入れ、安定期では組織づくりが重要になってきます。そして拡大期でメイン事業のさらなる拡大や新規事業への参入を検討し、リスク分散ができる企業を目指していきましょう。

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