【必読】個人事業主が経費にできるもの一覧!どこまで落とせるか注意点も解説!filter【必読】個人事業主が経費にできるもの一覧!どこまで落とせるか注意点も解説!

【必読】個人事業主が経費にできるもの一覧!どこまで落とせるか注意点も解説!

「個人事業主は経費で節税できるって聞いたけど、具体的にどんな項目が経費になるのか知りたい。どこまで経費で落とせるのかや、注意点があれば合わせて知りたい」
こんな悩みを持つ方向けに、個人事業主の経費についてまとめています。

当記事では、経費の基本から、個人事業主が経費にできるもの、経費にできないもの、どこまで経費で落とせるのか、経費を計上する際の注意点まで解説しています。
経費は正しく有効活用することで、節税効果につながりますので、ぜひ参考にしてみてください。

経費ってなに?

税金についての書類

経費とは「事業で必要な物やサービスなどの支払った費用」のことです。
仕事で車を使うのであればガソリン代や高速料金などは「交通費」として計上できますし、取引先との打ち合わせで使ったカフェ代は「接待交際費」として計上できます。なぜ、経費を計上するのかと言えば、節税効果があるからです。

個人事業主は、自身で確定申告する必要があります。
そして、所得税や住民税などの税金は、確定申告で申告した金額で変化します。
確定申告では「経費を差し引いた金額」を申告することができるため、売上をそのまま申告すると税金が多くなるでしょう。
ですから、確定申告の際に経費計上することで、売上の金額が減るため節税効果が期待できるというわけです。
ただし、自由に経費計上できるわけではなく、ある程度のルールを守って正しく経費計上しなくてはいけません。

領収書やレシートなどの保管は必須

仕事に関連した経費を計上する際には、必ず領収書や代わりとなりレシートなどを保管しておく必要があります。
これは、実際に経費として費用を支払ったことを証明するため、「青色申告では7年間、白色申告では5年間」の保管義務があるためです。
しっかり確定申告したものの、何かしらのミスなどで税務調査されたとき、スムーズに証明できるよう保管しておきましょう。

領収書には「日付・宛名(個人事業主は書かなくてもいい)・但し書き(何に使ったのか)・金額・発行者指名や住所(押印ありが望ましい)」が記載されていればOKです。
要は「いつ・どこで・なにに・いくら使った」という情報が分かればいいので、領収書にこだわる必要もありません。
ですから、レシートだけでも問題ありません。
むしろ、レシートのほうが詳細な情報が記載されています。
通常はレシートでもらっておき、レシートが出せない場合は領収書で対応してもらう形が望ましいです。
ちなみに、領収書の金額が5万円以上であれば、収入印紙が必要になります。

「按分」を理解する

経費の勘定科目を解説する前に、知っておくと理解が深まる「按分(あんぶん)」について解説します。
按分とは、事業用と生活用で共有する経費がある場合に、事業用の割合を算出して正しく経費を計上するための計算方法です。
事業とは関係ない生活用の部分まで経費にすると、トータルの売上が減ります。
経費で売上が減れば節税効果が高まるわけですが、計上すべきではない部分まで計上するのは「脱税」と同じことです。ですから、按分は正しく申告するために必要な計算方法です。
「なにを基準として割合を出すのか」については、勘定科目ごとに異なります。按分が必要な勘定科目については後ほど詳細に解説しますが、主に「時間・日数・数・距離・面積」などで算出します。

個人事業主が経費にできるもの一覧

個人事業主が経費として計上できるものは色々あります。ここでは、よく計上される代表的な勘定科目を解説します。

地代家賃

仕事で使用する事務所の家賃や駐車場などは、経費にすることができます。
家賃以外にも共益費や管理費、20万円未満なら更新料や礼金も経費計上が可能です。
賃貸の自宅を事務所としている場合も経費にできますが、そのままの金額を計上できるわけではありません。
ここで重要になるのが「按分」です。
自宅を事務所としても使用する場合、一般的には使用している面積の割合を家賃に当てて経費を出します。
自宅の約30%の面積を事業用で使用していれば、家賃の約30%を経費にするといった具合です。
家賃が10万円だとしたら、経費にできるのは約3万円となります。

水道光熱費

ガスメータの画像

水道・ガス・電気・灯油などの水道光熱費も経費にできます。自宅が事務所となっている場合、これらの水道光熱費は「仕事で使用した分」だけ計上するのですが、その配分を算出するのは難しいです。家賃でも解説したとおり、按分の考え方で計上します。ここでは「仕事をした時間=水道光熱費の割合」として考え、経費として計上するのが望ましいです。このとき「1週間」を基準に計算します。

電気代を例にすると、1日の勤務時間が8時間で週5日勤務の場合は、使用時間が40時間になり、1週間の時間(168時間)で割れば「約20%」になります。電気代が月1万円だとすれば、2,500円が経費にできます。さらに、事業用に使用しているパソコンなどの機器をつなげているコンセントの数で、計算することも可能です。コンセント数が10個あり、そのうち業務に使用しているコンセント数が5つあれば、使用率は「50%」になります。電気代が月1万円なら5,000円を計上できます。

通信費

電話代やインターネット料金などの通信費も、経費にすることができます。電話代に関しては、事業用に使用しているものがあれば、固定電話でも携帯電話でも使用した分を経費にできます。ただし、生活用と共有している場合は、事業用と生活用で按分する必要します。割合の基準としては「使用時間」で按分するのが一般的で、アプリなどでも計測することが可能です。時間で把握することが難しければ、大まかな割合で計上しても経費として認められる場合があります。例えば、年間のインターネット料金が72,000円で、30%くらい使用しているのなら「21,600円」を計上できます。税務調査が入った場合に、ちゃんと説明できる割合で算出することをオススメします。

旅費交通費

仕事で使用する車のガソリン代や、出張などで支払う宿泊費やタクシー代などの交通費を計上することができます。ガソリン代に関しては、社用車があれば分かりやすいのですが、生活用と共有している場合は按分をおこなって算出しましょう。この場合は、業務で使用する度に「移動距離」を記録しておき、「燃費」と「1リットルあたりのガソリン代」から経費を計算しましょう。日常的に業務で使用する場合は、年間のガソリン代を把握した上で、1週間に使用する日数から割り出す方法もあります。例えば、年間のガソリン代が12万円で、週(7日)に5日業務で使用する場合は「約70%」を経費として計上することができます。

接待交際費

取引先との打ち合わせで発生した飲食代、お歳暮やお中元、ご香典やご祝儀などを接待交際費として経費計上することができます。
ただし、事業に関係のない友人や家族などの飲食代などは、経費にはできません。
カフェでの経費については「食事」までは経費として認められない可能性がありますので、ドリンク代だけ計上するのが一般的です。

車両費

事業で車を使用する場合には、車の維持費であるオイル交換や車検、備品などの費用を経費にできます。
旅費交通費にガソリン代を記載していますが、こちらの車両費として計上することも可能です。
社用車であれば経費計上しやすいのですが、生活用と共有している場合は、使用日数や移動距離などから按分する必要があります。

損害保険料

社用車の自賠責保険や任意保険、事務所の火災保険などは、損害保険料として経費にすることができます。
自宅が事務所となる場合は、按分して計上することになります。
家賃同様に、使用面積から経費にする保険料を算出します。
あくまで「事業」に関わる保険料だけ経費になるため、個人的に加入している傷害保険や地震保険などは、計上することはできません。
生命保険に関しては、生命保険控除が利用できます。

減価償却費

10万円を超える資産(車・建物・設備など)は、減価償却費として経費計上できます。
減価償却は、その年に全額経費にすることはできません。
資産には一定期間使える「耐用年数」というものがあり、この期間に応じて毎年分割して計上していくことになります。
例えば、100万円の社用車(普通車)を購入した場合、耐用年数は6年とされています。
100万円を6年で割ると、年間で「約17万円」が経費として計上できるという具合です。

消耗品費

事業で使用する備品や家具などが対象で、10万円未満の金額であれば消耗品費として計上することができます。
10万円以上になると、すでに解説している「減価償却費」として、購入金額を耐用年数で割って毎年計上することになります。

修繕費

家を修繕している様子

事務所や店舗、使用している備品や機械、社用車などの修理に関しては修繕費として経費にできます。
ただし、次の条件では修繕費ではなく「資本的支出」という扱いになります。
修理によって「価値が増す」「耐用年数が増す」ことになれば、減価償却費と同じく数年に分けて計上するのが一般的です。
その年に修繕費として計上できる条件もあります。
「3年以内の周期でおこなわれる修理や改良、これらに必要な金額が20万円未満」もしくは「修理が維持するレベルのものであり、前期末の取得価額の10%以下」です。

租税公課

消費税や固定資産税、不動産取得税や印紙税、社用車の自動車税などは、租税公課として計上することができます。
生活用と共有しているものがあれば、按分して事業で使用している分だけ算出すれば大丈夫です。
これらの税金は事業で必要な税であり、個人的な国民年金保険料や国民健康保険料、住民税などは経費計上することができません。

雑費

これまで解説した勘定科目や、解説しきれていない他の勘定科目以外に当てはまらないものは、雑費として経費を計上することができます。
計上する際は、あくまでも事業に関係のある費用が対象です。

勘定科目の仕訳はある程度は自由にできる

「どの費用を、どの勘定科目に分けるかは、申告する人の裁量である程度は自由」に決められます。
厳密なルールはありませんし、必要だと思う勘定科目を追加することも可能です。
ただし、費用を適切な勘定科目に仕訳ることが重要ですし、追加するのであれば誰が見ても分かりやすい勘定科目を設定しましょう。

個人事業主が経費で落とせないもの一覧

個人事業主では経費にできない勘定科目を解説します。

個人的な税金や生活費

「租税公課」でも解説しているとおり、国民健康保険料、所得税や住民税はもちろん、事業に関係ない生活費など、事業に関係ない個人的な費用は経費として計上できません。
国民年金保険料については、控除することができます。

福利厚生費

法人には、健康診断や食事補助、何かしらの割引などの福利厚生費が認められています。
これは「従業員に対する費用」であり、個人事業主は従業員が居ないため経費にすることはできません。
また、家族や配偶者が従業員である場合も、福利厚生費は認められていませんので注意が必要です。

どこまで経費で落とせる?注意点を解説

どこまで経費が落とせるのか迷う部分ですが、シンプルに考えてください。
「事業に関係があるのか、事業にプラスになるのか」です。
例えば、個人的にペットを飼いたいときは、当然ですが経費にすることはできません。
ただし、事業の認知度をアップする目的「広報」という役割を果たし、知名度アップに貢献してくれるのであれば「事業にプラスになる」と判断される可能性があります。
ですが、費用対効果が低いと経費としては認められない場合があります。
結局は税務署の判断になりますが「個人的な費用ではなく、事業としてプラスになるかどうか」を普段から考えておくといいでしょう。
どうしても迷う場合は、税理士に相談することをオススメします。

お金を広げる女性

個人事業主の経費は「事業に関係する・事業にプラスになる」という部分さえ押さえれば、経費として計上できます。
さらに、個人事業主は自宅が事務所である場合もあるため、この場合は事業用と生活用で「按分」する必要があること。
そして、10万円以上の金額の場合は「減価償却費」として、耐用年数に見合った経費を計上するなど、それぞれの勘定科目で注意すべき点を意識しましょう。
事業の収入に見合った、適切な経費計上をすれば問題ありません。
特に初めて確定申告する人は「税務署から何か言われたらどうしよう・・・」という不安がつきまとうものですが、人である以上は理解不足な部分やミスもあります。
ですから、迷ったら税理士に聞いたり、税務署から連絡が来たときに、指摘された部分を説明できるだけの適切な処理をすることが大切です。
今回ご紹介した経費にできるものや、できないもの、注意点を理解して、正しく節税していきましょう。

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